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東京五輪ピンチ 森会長は強気も…緊急事態宣言発令で影響必至

 国立競技場
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 政府は7日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、1都3県に昨年4~5月以来となる2度目の緊急事態宣言を発令した。期間は2月7日までの1カ月間。この日、東京都の新規感染者数は過去最多の2447人を記録。収束の見通しがまったく立たない中で、7月に迫る東京五輪への影響は必至。夢舞台を取り巻く環境は、日に日に厳しさを増している。一方で東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は「不安はまったくない」と、開催への自信を示した。

 日に日に増加する東京都の新規感染者の数字が、五輪開催への焦燥感を募らせる。ある大会関係者はつぶやいた。

 「延期前の空気に似てきた。外堀が埋まってきている感じがする。厳しい状況だ」

 今回の緊急事態宣言は、飲食業への規制に重点が置かれている。関東圏で開催されているバレーボールやサッカーなどのイベントは無観客などの対策を取り続行。前回は閉鎖された五輪強化拠点の味の素ナショナルトレーニングセンターや、スポーツ科学センター(JISS)も引き続き利用が可能だ。日本国内においては昨年のようにスポーツが完全に止まることにはならない。

 ただ、3月からは全国を回る聖火リレーやテスト大会の再開などが控える中で、1カ月間、社会活動に大きな制約が掛かることで準備状況への影響は避けられない。大会で力を借りなければならない、医療従事者らへの圧迫が続けば、大会の医療体制も成り立たなくなる可能性も出てくる。仮に感染状況が収まらず、宣言が延長された場合は、五輪代表を選出する国内選考会などにも影響は必至だ。関係者は「3月まで続けば、かなり厳しくなる」と話す。

 また、それ以上に深刻なのは国内世論と世界へ開催不安を露呈したこと。ほとんどの世論調査で延期、中止が6、7割を示す今、五輪開催に消極的な国内のムードが、今回の宣言でさらに冷え込むのは間違いない。現状では機運浮揚の余地がない。

 また、海外でもすでに開催への悲観的な報道も出始めている。変異種が猛威を振るう英国では、高級紙「ガーディアン」が元日付で、東京五輪が「コロナに打ち勝った証しとなる」とする日本側やIOCの見解に「希望的観測のように聞こえる」とし、日本での感染者増が医療インフラの危機を招いていることや、消極的な世論に「人々が五輪の夢を放棄する準備ができているようにみえる」と指摘した。また同紙は7日、IOCが東京五輪開催のため、新型コロナウイルスのワクチンについて、アスリートの優先順位を上げるように求めていると報じたが、すでに反発を招いている。

 販売済みの選手村マンションや施設確保、経費の問題から再延期は困難との見方が強く、今夏の開催が無理ならば中止が濃厚だ。この日、組織委の森会長は「不安はまったくありません。(五輪を)やることは決まっている。組織委も国もIOCも。なぜ7月のことを今議論するのか」と、開催へ強気な姿勢をみせたが…。東京五輪開幕まであと196日。光が見えない中で、無情のカウントダウンは進んでいく。

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