「大相撲１１月場所・７日目」（１４日、両国国技館）

　引退を決めた大先輩に捧げる白星だった。志摩ノ海は立ち合い低く当たり、右からいなして魁聖の巨体を後ろ向きにさせると、粘っる相手を腰を落として押し出した。

　「今日は四つにならないことを考えた。土俵に上がったらやるしかないので、思い切っていきました」

　琴奨菊は高知・明徳義塾高の先輩に当たる。「昔から大活躍されていた方。尊敬のまなざしで見ていました。残念です」。巡業では何かと気に掛けてもらったそうで「ひざのけがを抱えながらどうコンディショニングをされているのか見て学んだ」と振り返った。

　１敗を死守し賜杯争いに割って入っている。「土俵の上では相撲を取るだけ。自分の相撲を取れば（琴奨菊に）見てもらえると思う」。土俵を去る先輩の分まで場所を盛り上げる。