柔道国内大会コロナ禍から再開も…不可解裁定で大混乱 優勝の米村克麻「気まずい」

 「柔道・講道館杯」(31日、千葉ポートアリーナ)

 新型コロナウイルス感染拡大による中断から、主要国内大会としては再開初戦として無観客で開催された。全出場選手への検査で陰性を確認し、選手以外はマスクを着用。試合畳は1時間に1度、消毒液で除菌するなど入念な感染対策で万全を期した。一方、試合では、男子60キロ級決勝で審判の不可解な裁定を巡り混乱が生じるなど、課題も残る再出発となった。今大会は4月に延期となった全日本選抜体重別選手権を兼ねる。

 再開を祝うはずの大会でまさかの大混乱が生じた。男子60キロ級決勝はともに初優勝を狙う米村克麻(24)=センコー=と小西誠志郎(21)=国士舘大=が対戦。先に「技あり」を奪われていた小西が1分30秒過ぎ、相手を押さえ込んで逆転するかと思われたが、不可解に止められた。

 電光表示板では、なぜか押さえ込まれている米村が押さえ込んでいることになっており、10秒経過(技あり)でブザーが鳴って米村の「合わせ技一本」による勝利となった。小西側の抗議で審判が協議した結果「一本」は取り消されたが、小西に入るはずの「技あり」は認められず、押さえ込みの状態から再開。しかし、押さえ込みはすぐに解かれポイントも優勝も逃した。

 不可解裁定に小西は唇をとがらせつつ「(先に)ポイントを取られたのは事実。受け止めて一からやり直したい」と涙をのんだ。一方、米村も「優勝はうれしいが、気まずい」と複雑そうだった。

 大迫明伸審判委員長によれば、電光表示板の担当者が操作を誤って押さえ込んだ選手を逆にしてしまったことを発端に、連鎖的にミスが続いたといい「残念なことが一度に重なってしまった」と陳謝した。ただ、再出発の機運の中、柔道自体で混乱を生じさせてしまった。コロナ対策は徹底しているだけに、畳の上でも憂いのない大会運営が求められる。

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