東京五輪・パラリンピック組織委員会は３０日、新型コロナウイルスによる開催延期に伴い、来場が困難となったチケット購入者に向けた払い戻しの概要を発表した。払い戻しは１枚単位で可能で、公式チケット販売サイトで受け付ける。

　手続き期間は五輪が１１月１０日未明～同３０日の午前１１時５９分までで、返金時期は１２月下旬以降。パラリンピックは手続きが１２月１日未明から同２１日午前１１時５９分までで、返金時期が１月中旬以降となった。大会チケットは五輪が４４８万枚、パラリンピックが９７万枚が販売されている。

　新型コロナウイルスの影響で、観客数の削減を想定してか、組織委の鈴木秀紀マーケティング局次長は「万が一、組織委員会が今後新型コロナウイルスの影響により観戦の機会を提供できなかった場合には、別途払い戻しを実施させていただく予定です」と、した。国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）のトーマス・バッハ会長は２８日に韓国メディアのインタビューで「満員が理想だが、現実的に可能だとは思わない」と観客削減について言及している。

　また、払い戻しのタイミングで、さまざまな詐欺が横行する可能性があるため、組織委は以下のような注意喚起を行った。

　「払い戻し申請の手続は、必ず公式チケット販売サイトへアクセスし、『マイチケット』にログインして行ってください。チケットの払い戻しに関して、当委員会がご自宅に訪問したり、メールやお電話で金融機関の口座番号やクレジットカード番号をお伺いすることはありませんのでご注意ください。

　チケット購入者へメールにて、払い戻しのご案内をさせていただきますが、フィッシング等の迷惑メールと区別するため、ご案内するメールには、東京２０２０公式チケット販売サイト等のＵＲＬを掲載しておりません。また当委員会からはがきや電話、ＳＭＳなど他の方法でご案内をすることはありません。

　当委員会を装った詐欺やなりすましの被害に遭わないよう十分お気をつけください」