琴奨菊 十両の番付に「悔しいですね、正直」…相撲稽古再開し胸中

琴勝峰(左)に助言する琴奨菊(日本相撲協会提供)
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 「大相撲11月場所」(11月8日初日、両国国技館)

 約15年ぶり十両に降下した元大関の琴奨菊(36)=佐渡ケ嶽=が30日、千葉県松戸市の部屋で弟弟子の幕内琴勝峰(21)を相手に相撲を取る稽古を再開させた。先場所は左ふくらはぎを負傷し、2勝10敗3休。2005年夏場所から維持してきた幕内の座を明け渡した。

 稽古後、電話取材に応じ、「3番ぐらいですか。ちょっと感覚見たくて、それくらいで抑えました。なんかわくわくしましたね」と、確かな再起への一歩を踏み出した。

 前日、若い衆に胸を出した際、患部に違和感があったものの、この日は感触も悪くなかった。「四股を踏んでいたら何となくいけるなという感じで、結構いけたので、よかったなと思います。悪くはないなという感じ」と、語った。

 先場所のけがで改めて気付いたのが四股の重要性。「自分的な感覚。四股が禅ぽい感じ。心も落ち着くし、自分のポジションも分かってくるし、自分の強みってなんだろうなという。体重の乗り方とかもあるので、基本は四股にあるんじゃないかなと思ったところです、今。集中もできるしね。いらない邪念が、行き過ぎになってポジションを崩したりとかあると思う」と、精神集中に役立つ。

 幼少期より相撲に打ち込み、立ち戻ったのが基礎中の基礎である四股。「何も考えず昔はきていたんですけど体も。今はしっかり向き合わないと来ないので。体もそこまで落とし込めないので、そういうことを考えている方が意外と周りと比べることなく自分を追求できるかなという感じですね」と話した。

 十両の番付に「悔しいですね、正直。悔しいなという感じかな」と本音。大関経験者としての葛藤もある。

 「それを踏まえてもっと大事なものがあるからやっている。そこにしがみついていたらとっくのとうに辞めてますよ。今感じている大事なことは、いい時というのは何でもうまくいくから分からないけど、その手探りだけど、自分の相撲人生、一個一個分かっていけばいいのかなと。いろいろ言われますけど、それがなかったらとっくに辞めてます。そこも自分的にポジティブなんですよね」と心中を明かした。

 逆境だからこそ、気付くことがある。「その時よりも今の方が考えてやっているから気づきの方が多いかなと。勢いの時は結構勢いでいっちゃってたから。その時に大事にしてた時もあったけど、それが今、全部覆ったりしてるし、なんか押さば押せ、引かば押せの押しの極意みたいなとこを追究したいなという感じ。下の気持ちも分かるし。自分の方向性も分かる」と、前だけを向いていく。

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