大相撲７月場所を途中休場した横綱鶴竜（３５）＝陸奥＝が２４日、電話での代表取材に応じた。すでに胸を出すなど土俵に入り調整。秋場所（９月１３日初日、東京・両国国技館）まで３週間を切っており、今週、弟弟子の霧馬山と相撲を取る稽古を再開させる予定だ。「土俵の中での稽古をやっていかないと」と再起へ力を込めた。

　右肘は何度も痛めている古傷。「やっと少し使えるようになった。古傷なんで、完全によくなることはないと思う。なるべく肘に負担をかけないように、使わずに、動かさないで、それしかない。７月場所が始まる１週間前に痛めて、ちょっとよくなればいいなと。最後の１週間はもう稽古できずに」と、相当、状態が悪かったことを明かした。

　初日、遠藤に敗れ、２日目から休場。「悔しさがないと次に向かっていけない」と前だけを向いた。

　元大関で序二段からはい上がった照ノ富士が優勝。「幕下に戻ってきてから時津風部屋にも稽古にも来ていたし、顔を合わせて、頑張っているなという姿を見ていたので、よかったんじゃないかなと思います。自分でもいっていたけど、大人になったなと」と、称賛した。

　１０日に３５歳になった。「本当にけがや病気なく、それだけです。今、特にそういう時期ですから。３５になったのかという感じ、自分がまだ２０代のときに、３４、３５で、今、自分が相撲を取っているとは。若いころ３５まで現役のイメージはなかった。全然、そういう周りでやっている人を見て、すごいなーとか、その年までやって、と思っていたけど、その年になって、不思議な感じがする」と話した。

　角界発展のために望むのは若手の台頭。「もっと出てきてと。はい次、みたいにどんどんどんどん出てきて。それが将来につながると思う。ごろごろいないといけない」と若手に向かってエール。

　自身は同世代に元横綱稀勢の里（現荒磯親方）、元大関豪栄道（現武隈親方）らと切磋琢磨（せっさたくま）し、出世を争った。「１、２年くらいの近い間にみんな一気に上がってきた。（今の若手も）もうちょっと上がってきてほしい」と、当時と比較し、残念がった。

　昨年７月の名古屋場所で６度目優勝したものの、その後は３場所連続休場。春場所で１２勝を挙げたが、再び先場所休場と不本意な場所が続いている。「（優勝は）常に、目標でやっている、それ以外ない」とキッパリ。

　今年は幕尻の優勝が２回も横綱として責任を感じる。「そういうチャンスを与えちゃっている。下位が優勝するというのは上の人がね、自分もですけど」とかみしめた。

　先代師匠の井筒親方（元関脇逆鉾）が亡くなって１年がたつ秋場所。「しっかりね、この間のようにならないようにしたい」と、奮起を誓った。