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男子100メートル桐生、新聖地で初陣V 国立の苦い記憶払しょく「思い出になった」

 「陸上・セイコー・ゴールデングランプリ」(23日、国立競技場)

 男子100メートルは前日本記録保持者の桐生祥秀(24)=日本生命=が10秒14(向かい風0・2メートル)で優勝した。来夏に延期された東京五輪のメインスタジアムで初めて行われた本格的な競技会で初陣を飾った。2016年リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダルメンバーのケンブリッジ飛鳥(27)=ナイキ=が10秒16で2位。9秒98の自己ベストを持つ小池祐貴(25)=住友電工=は10秒53で8位、18年アジア大会銅メダリストの山県亮太(28)=セイコー=はまさかの予選落ちに終わった。

 いきなりの9秒台とはいかなくても、新たな聖地で上々の一歩目を刻み込んだ。予選でただ1人10秒0台となる10秒09をマークすると、決勝で桐生は中盤から力強い加速で抜け出すと、今季好調のケンブリッジの追撃を余裕をもって封じきり、ゴールを駆け抜けた。

 米国を拠点にする日本記録保持者のサニブラウンこそ不在だったが、国内のライバルに完勝し「ここを勝ちきれたのは大きな収穫。今年は去年海外でやられた中盤から後半の伸びの部分を伸ばしてきた。それができている」と充実の表情で汗をぬぐった。

 桐生にとって、“国立”には苦い記憶しかなかった。高校3年生で10秒01を出し、一気に注目を集めた中で挑んだ13年のゴールデングランプリでは10秒40で3位。旧国立での最後の陸上競技会だった14年同大会では10秒46で5位に終わった。ともに向かい風の悪条件の中で09年全米王者のロジャースや、04年アテネ五輪金メダリストのガトリンといった世界のトップスプリンターに差を見せつけられ「悔しさより、こんなに違うんだなと…」と唇をかんだ。

 日本人初の9秒台に、リレーでの五輪メダル。確かな成長を遂げて帰ってきた6年ぶりの国立。前日会見では「旧国立にはこれといった思い出がない。ここで思い出に残る走りを」と話していた。新たに生まれ変わった聖地での初陣を飾り、「小さいですけど、思い出になった」とうなずいた。

 この日は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、無観客での開催。それでも桐生には、あるイメージが湧いたという。「満員になれば、きっと地響きのような歓声が届くと思う。(陸上の本場の)ロンドン(五輪)やヨーロッパのように。想像したら楽しくなりますね」。その歓声の中心に立つべく、あと1年、さらなる進化を遂げる。

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