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照ノ富士、史上最大の復活V!苦難乗り越え…5年ぶり2度目「続けてきて良かった」

 「大相撲7月場所・千秋楽」(2日、両国国技館)

 14場所ぶり幕内復帰した元大関照ノ富士(28)=伊勢ケ浜=が2015年夏場所以来、2度目の優勝を果たした。負ければともえ戦の千秋楽、本割で関脇御嶽海を寄り切って13勝目(2敗)。両膝負傷、内臓疾患で序二段まで落ちた元大関の優勝は史上最大の復活劇となった。1976年秋場所の魁傑以来、元大関の平幕V、30場所ぶり賜杯は史上2位のブランク、史上3人目の幕尻Vと記録ずくめ。コロナ禍の場所、どん底からはい上がってきた男が日本に元気を与えた。

 優勝インタビュー室に入り、ようやく照ノ富士は笑みを浮かべた。「続けてきて良かった。最後にこうやって笑える日が来ると信じてやってきた。一生懸命やっていたらいいことあるな」。苦しい日々を乗り越え、つかんだ賜杯をかみしめた。

 負ければともえ戦。兄弟子の安治川親方(元関脇安美錦)から「3回相撲を取ると思っていけ」と言われたが「できれば1回で」と本割で決める気満々だった。逆転Vを目指す御嶽海相手に素早く左上手を引き、右上手も取って引き付け。5秒7、一気の寄り。5年ぶり優勝を果たした。

 前日、2敗目を喫したが、結びで同部屋の照強が朝乃山を撃破。単独トップで千秋楽を迎えることができた。かつての付け人の援護射撃。「照強が勝ってくれたおかげ」と男気に火が付いた。

 初優勝した5年前、横綱に近いと言われた。絶頂は一転、両膝の重症、糖尿病、肝炎、腎臓疾患も重なり大関を14場所で陥落。元大関が前代未聞となる幕下以下に降下した。

 角界では潔さが美徳とされ批判の声もあった。本人も何度も引退を師匠・伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に申し入れた。「まずは体を治せ」と言われ踏みとどまった。序二段で再起の際、「序二段で優勝しても勝っても恥ずかしい話じゃない。当たり前」と師匠から諭され、プライドも捨てはい上がった。

 1年半前は四股も踏めなかった。筋力を徐々に取り戻し、再び番付を急上昇。「相撲人生を2回楽しむ」と、照ノ富士しか味わえない記録ずくめ、史上最大の復活Vとなった。

 優勝を決め万雷の拍手を受け、東の土俵下に座った。「いろんなことが浮かんでこらえた」と涙は我慢した。西の天井付近には5年前に掲げられた自身の優勝額。6年程で付け変わるため、「あと何場所かでなくなる。もう1回、飾りたい」という誓いを果たした。

 豪快な飲み、やんちゃで知られた23歳は今、28歳となり、周囲のありがたみが分かる。「落ちてる時も応援してくれた方々、家族、親方、おかみさん、部屋のみんなが支えてくれる人がいたから、もう一回、恩返ししたいと思った」。前回同様、師匠から受け取った優勝旗。「(前回は)イケイケの時に優勝している。今は慎重に一つのことに集中してやってきて、それが違う」と格別だった。

 コロナ禍の中、異例の場所は1人の感染者も出さず無事に終えた。「こういう時期なので勇気と我慢を伝えたいと思って一生懸命やってきた」。あきらめぬ不屈の精神で日本を勇気付けた。

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