相撲協会、初の新型コロナ死者にショック 希望者全員に抗体検査実施へ
日本相撲協会は13日、協会員約1000人の希望者全員を対象に新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査を実施することを発表した。この日、28歳の三段目力士、勝武士さん(高田川)が同ウイルス感染により角界で初めて死去。無観客での開催を目指す7月場所(7月19日初日、東京・両国国技館)に向けて感染状況を把握し、対策を行う。検査結果次第では開催可否に影響を及ぼすことになる。
コロナ禍による角界初の死者にショックは計り知れない。協会は約1000人の協会員の不安を軽減するため、希望者全員に抗体検査を実施する。
芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「検査を行うことによって、団体生活や稽古を行う上での不安を取り除くことができると考えている。俺も(新型コロナに)かかっているのかという不安感は誰でもある。検査することでかかっていたことも分かる。判別ができることが大きなメリット」と説明した。
5月の夏場所を中止し、7月場所は開催場所を通常の名古屋から東京・国技館に移し無観客での開催を目指す。まだ2カ月以上も先の本場所へ怖さは隠せない。
「結果、状況でいろいろなものが見えてくる。それを受けて、次の場所開催への対策に役立てていきたい」と同部長。まずは協会員の感染状況を把握し、対策を立てる。検査結果次第では開催へ影響が及ぶことになる。
各部屋にはすでに資料を送付。希望者全員の検査は来週以降、日程調整して部屋ごとに専門機関で行う。1カ月程度要する見込みで全体の検査結果はまとまった段階で公表する。調査の対象は力士、親方、呼び出し、床山、行司、世話人、若者頭、部屋に所属している者全員。協会の職員は含まれない。