リネール撃破に興奮ガッツポーズの井上康生監督が猛省「未熟。映像みて、あちゃ~と」

 柔道グランドスラム(GS)パリ大会の男子100キロ超級で、五輪2連覇中だったテディ・リネール(30)=フランス=を破った影浦心(24)=日本中央競馬会=が11日、成田空港に帰国した。東京五輪代表争いで2番手につける24歳が、10年間負けなしで154連勝中だった“最強王者”を撃破し、代表争いに踏みとどまった。

 歴史的勝利の裏で話題になっているのが、常に冷静な男子の井上康生監督が、影浦が勝った瞬間に腰を浮かせ、拳を握る瞬間の映像。影浦も後に映像をみて「めっちゃはしゃいでるやんと思った」と、指揮官の興奮ぶりに驚いた様子だった。

 影浦とともに帰国した康生監督は「一瞬だけだったんですけど。映像で見て、あちゃ~と。駄目ですね。あれはいけない。いかに心を落ち着かせるかと考えていたが、一瞬ちょっと自分の未熟さが出た。申し訳ありません」と、“日本柔道界悲願達成”の瞬間とはいえ、取り乱したことを反省し、苦笑いで謝罪した。

 ただ、それだけ日本の、そして世界の柔道界にとって大きな出来事だった。自身も2度対戦し、敗れている「絶対王者」に対して、井上監督は「10年間勝ち続けた偉大な王者」と敬意を表し、「間違いなく調子を上げて東京五輪に出てくる。我々にとって、これがゴールではない」と、東京五輪本番に向けて、気を引き締めていた。

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