米プロバスケットボールＮＢＡのレーカーズ一筋で２０１５～１６年シーズンまでプレーし、史上４位の通算３万３６４３得点を記録した元スター選手のコービー・ブライアント氏（４１）が事故死した。２６日、複数の米メディアが報じた。米ロサンゼルス近郊で搭乗中のヘリコプターが墜落し、ブライアント氏と１３歳の娘ジアナさんを含む９人全員が死亡した。マイケル・ジョーダン氏らＮＢＡ関係者をはじめ、各界から悲しみの声が広がった。

　ＮＢＡで一時代を築き上げたスーパースターが悲運の最後を迎えた。午前９時（日本時間２７日午前２時）すぎに出発したヘリが１０時ごろ、直線距離で約１００キロ離れたロサンゼルス西部の山に墜落。当時は霧が立ちこめていた。スポーツ専門局ＥＳＰＮ（電子版）によると、まな娘ジアナさんが所属するバスケットボールチームの遠征試合に行く途中の事故だったという。

　ブライアント氏は高卒新人だった１９９６年にデビュー。卓越した得点力と感情を表に出すスタイルでスターダムにのし上がった。要所でシュートを決める抜群の勝負強さから、毒蛇になぞらえ「マンバ」の異名を取った。９９～２０００年シーズンからの３連覇を含む、計５度のリーグ優勝に貢献。１６年に引退するまで歴代４位の通算３万３６４３得点を積み上げた。

　レーカーズで名コンビを組み、黄金時代を築き上げたシャキール・オニール氏は自身のツイッターを更新し、「この痛みを表現することができない。コービー、君が恋しいよ」と沈痛な思いをつづった。マイケル・ジョーダン氏も「弟のような存在だった。痛みは言葉では言い尽くせない。コービーが大好きだった」とコメントし、元レーカーズのマジック・ジョンソン氏もツイッターに「レーカーズ史上最高の選手が亡くなった」と敬愛を込めて記した。

　この日、各地で行われたＮＢＡの試合では開始直後、コービーの現役時代の背番号「２４」と「８」にちなみ、２４秒以内にシュートを打てなかった場合と、８秒以内に相手陣に入れなかった場合に科される反則を意図的に行い、哀悼の意を示した。名前の「ＫＯＢＥ」は、元ＮＢＡ選手だった父・ジョー氏が好んだ神戸牛から名付けられた。誰からも愛された４１歳。あまりに早過ぎる死となった。