炎鵬が“56キロ差”阿炎破った!自身もビックリ快進撃で2桁星へ
「大相撲初場所・13日目」(24日、両国国技館)
幕内最小兵の炎鵬が小結阿炎に足取りを決め、3連勝で8勝目(5敗)を挙げ、4場所連続で勝ち越した。突っ張りをかいくぐって相手の右足をつかみ、豪快に50センチも持ち上げ“炎”対決を制した。大関豪栄道、関脇の朝乃山、高安に続き、三役以上4人を“令和の牛若丸”が撃破した。正代が輝を寄り切り、徳勝龍は豊山を突き落とし、ともに1敗を死守し平幕2人がトップ並走。2人は14日目に直接対決する。優勝争いはトップと1差の2敗を守った大関貴景勝まで3人に絞られた。
小兵の業師が力技で観衆を沸かせた。初顔合わせの阿炎との“炎対決”に臨んだ炎鵬。自身より17センチ高く、56キロ重い相手の長い腕での突っ張りを左に回り込んでかわすと、すかさず懐に飛び込んだ。そして、タイミングよく右ヒザを抱え上げると、阿炎の巨体は宇宙遊泳のようにふわりと50センチほども浮き上がって土俵の外へ。見事な足取りに場内は「エンホー」コールに包まれた。
「突っ張ってくるのが頭にあった。それをかいくぐって、という狙い」と話した炎鵬。だが、足取りは「見えなかった。感覚だけ。気がついたら取っていた」という無意識で繰り出したものだった。
番付を前頭5枚目まで上げ、初めて上位との対戦も組まれた場所で1大関2関脇1小結を破っての勝ち越し。「まさかここまで取れるとは思っていなかった。自分でも驚いている」という快進撃だ。
その要因を「チャレンジャーの気持ち。気負いなく、できることを一日一日したのがよかったと思う」と分析する。5日目に休場した兄弟子の横綱白鵬とはまだ会ってはいないが、「とりあえず、いい報告ができると思う」と充実感をにじませた。
残り2日を連勝すれば初の2桁勝利に到達する。「勝ち越しからの2日間が大事。気持ちを緩めずに2日間勝つつもりで集中していきたい」と表情を引き締めた。




