創価大9位初シード 嶋津、ヴェイパー無双阻止!ミズノ社製シューズで区間新

 「箱根駅伝・復路」(3日、神奈川県箱根町芦ノ湖駐車場~東京・大手町)

 赤と青のタスキを胸にゴールテープを切ると、創価大・嶋津雄大(2年)の目は自然と潤んだ。11位でタスキを受けると2人抜き、過去最高9位でフィニッシュ。ミズノ社製のシューズで区間記録を13年ぶりに19秒更新する1時間8分40秒の力走を見せ“ヴェイパー無双”も阻止した。「たまたま区間新だった」と謙遜したが「主人公らしい走りができた」と誇らしげに語った。

 ヒーローに憧れ、趣味はライトノベル小説の執筆。先日、陸上競技と異世界をテーマにした物語を書き上げたばかりで、4月締め切りの電撃小説大賞への応募を予定している。

 チームで書いた目標設定用紙には、自分がシード圏内でゴールテープを切る瞬間までを物語に仕立てて提出。「主人公になったつもりでスタートを切れた」と、物語を自らノンフィクションに変えた。榎木和貴監督も「嶋津ワールドです」とたたえるしかなかった。

 暗いと見えづらい網膜色素変性症を抱えており、日照時間の短い冬は練習制限がつきもの。薄暗い朝の練習は集団走に入れず、若葉総合高時代は電気のついた約70メートルの廊下を何十往復も走った。「一歩を踏み出せない人に勇気を与えられる走りができたと思う」。箱根路を駆ける姿はヒーローそのものだった。

 同校3度目の箱根で、初のシード権を獲得。筆でも足でも、嶋津にしか描けない物語を紡ぎ続ける。

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