県浦和、花園初勝利 ほぼ全員ラグビー初心者の秀才軍団が聖地で魅せた

 「全国高校ラグビー大会・1回戦、浦和5-0玉島」(27日、花園ラグビー場)

 開幕し、1回戦8試合が行われた。全国屈指の進学校である県浦和(埼玉)は5-0で玉島(岡山)を下し、6年ぶり3回目の出場で花園初勝利を挙げた。札幌山の手(北海道)、長崎北陽台や初出場の青森山田も2回戦に進んだ。2連覇を狙う大阪桐蔭(大阪第1)や、前回準優勝で今春の選抜大会覇者の桐蔭学園(神奈川)などシード校は30日の2回戦から登場する。決勝は来年1月7日に行われる。

 ほぼ全員が初心者からのスタートだった秀才軍団が聖地で魅せた。毎年多くの東大合格者を出す全国屈指の進学校、県浦和が6年ぶり3回目の出場で花園初勝利。部員数51人で中学までの経験者は各学年に1人ずつ。1946年の創部から“3度目の正直”でつかんだ初星を完封で飾った。

 頭脳明晰(めいせき)な選手たちが修正能力の高さを見せた。前半は攻撃有利の風上で再三、ゴール前に迫りながらも得意のモールで反則を取られスコアは0-0のまま。「後半は(不利の)風下。反則しなければ」という三宅邦隆監督(38)の期待通りにしっかりと対応し、後半15分、敵陣深くのゴール前でモールを形成。そのまま押し込み最後はナンバー8の松永拓実主将(3年)が先制の決勝トライ。そのままリードを守り切った。

 すごく苦労した。3年生の入学当時、ラグビー経験者は松永主将のみ。自らが中学時代に同じ塾だったFB高田賢臣(3年)らを誘い入部させたが楕円(だえん)球を投げられる者も少なく、ルールを教える所からのスタート。「ヤバい…」。不安で仕方なかった。

 ただ、秀才たちの探究心は並ではない。黒板を使っての“ラグビー講義”を重ねるうち、部員たちが自らプレー動画を集めて勉強。三宅監督が「1つのプレーを教えると、その裏まで考える子たち」と評する研究熱心さで花園で勝利するまでに成長した。

 学業を疎(おろそ)かにはしない。受験に備え部員たちは宿舎に参考書を持参。「勉強で(ラグビーの)リズムを作る」と松永主将。文武が両立できることを花園で証明する。

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