高橋大輔“ラスト”シングル 左足首負傷も14度目全日本へぶっつけ

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(19日開幕、代々木第一体育館)

 フィギュアスケートの全日本選手権は、世界選手権(3月、モントリオール)の代表選考会を兼ねて19日、東京・国立代々木競技場で開幕する。公式練習では男子で今大会を最後にアイスダンスに転向するバンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔(33)=関大KFSC=らが会場で調整した。

 余計な感傷はなく、ただいつものように軽快にステップを刻んだ。これがシングルとして最後の大会となる高橋は、SPのロック調をノリノリに滑りこなし公式練習を終えた。

 左足首の負傷のため、11月の西日本選手権を欠場。ぶっつけで臨むことになった14度目の全日本選手権まで決して順調な調整ではなかったが、練習の最後には4回転トーループも決めた。「ビックリ。記念に跳んだら跳べた。試合はアクセルまでです」。慣れ親しんだ舞台が力を与えてくれているようだった。

 長く男子シングルをけん引してきた第一人者。14年ソチ五輪以来の競演となる羽生や才能あふれる後輩たちとの戦いの場で“ラストダンス”を迎える。「アイスダンスで続けるので、引退感も最後感もあんまりないんですけど」と苦笑いしつつ「次のステップにいく一区切り。無謀に挑戦しているけど、33歳まで現役ができるんだと思ってもらえたら」。高橋大輔としての最後の滑りを人々の心に刻む。

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