まるで川内 山口遥が大会新でV、2カ月で3マラソン出場予定“最強の市民ランナー”

 「神戸新聞社共催・第9回神戸マラソン」(18日、神戸市役所前~西舞子折り返し~ポートアイランド着=42・195キロ)

 男女合わせて2万320人が参加し、女子は山口遥(32)=AC・KITA=が大会新記録となる自己ベストの2時間27分39秒で初優勝を飾った。レース序盤からケニア、エチオピア勢にも先頭を譲らず、2位のシセイ・メセレット・ゴラ(エチオピア)に約4分差をつけてぶっちぎりの優勝。大会記録を約4分、自己ベストを約6分更新した。「27分台を狙っていた。目標が達成できてよかった」と、狙いどおりと言うから驚きだ。

 クラブチーム所属だが、出場するレース数は実業団選手を上回る。昨季は昨年11月の大阪、今年2月の別府大分毎日、3月の東京と約1カ月の間隔でレースに出場し、別府大分では優勝。東京では自己新を更新した。

 今季も今後、シンガポールマラソン(11月30日)、奈良マラソン(12月8日)に出場予定で、年末2カ月で3レース。来年は東京(3月1日)にも出場を予定している。また、今大会の1週間前は東日本女子駅伝(9区10キロ)に出場し、1月には都道府県女子駅伝にも出場する。男子の最強市民ランナー、川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)をほうふつとさせるレース数で、30歳を過ぎてなお、試合のたびに記録を伸ばし続けている。

 神奈川・新栄高、玉川大では全国的に無名選手だった。大学卒業後は「楽しく走ろう」とクラブチームに入り、23歳で夫の博之さんと結婚。28歳までは専業主婦だったが、ブラインドマラソンの指導でも知られる安田享平コーチに師事する中で、真剣に競技に向き合うようになった。普段は自主練習が中心で、横浜から週一度、千葉で行われるチームの練習に参加する。レース数の多さは「度胸がつくと思うので」と言い、「このレースでは記録を狙うを決めている」と計画的だ。

 現在は日本ブラインドマラソン協会の職員としても働き、ブラインドランナーの練習や試合の支援や伴走なども行う。来年の東京パラリンピックでも選手村でのサポートなどを行う可能性がある。「自分が記録を出すことで(ランナーにも伴走者にも)背中を見てもらえたら」。最強の女性市民ランナーは、最強のモチベーションで記録を伸ばし続けている。

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