女子マラソン4割脱落&Vタイム歴代最遅 気温30度超・湿度73・3%の過酷な環境

 「陸上・世界選手権」(27日、ドーハ)

 異例となる23時59分スタートの“ミッドナイトマラソン”で女子マラソンが行われた。日本女子では谷本観月(24)=天満屋=が2時間39分9秒で7位入賞を果たした。日本女子の入賞は2大会ぶり。中野円花(28)=ノーリツ=が11位、池満綾乃(28)=鹿児島銀行=は途中棄権となった。気温30度超え、湿度約80%の中で行われたレースは、4割の選手が途中棄権となるサバイバルレースに。同じく猛暑が予想される東京五輪への懸念も広がった。

 一部では中止の可能性も報じられた前代未聞の“ミッドナイトレース”は、過去に類を見ないサバイバルレースとなった。気温32・2度、湿度73・3%の中でスタートしたレース。気温は30度以上を維持したまま、湿度はどんどん上がっていく過酷な環境に、脱水症状などを起こして途中棄権する選手が続出。7キロの周回コースでは1周ごとに通過する選手が減り、次々と救護室へ運ばれていった。

 スタートした68人のうち、完走できたのは40人。完走率は大会史上最低の58・8%だった。優勝したチェプンゲティッチ(ケニア)のタイム2時間32分43秒は07年大阪大会の2時間30分37秒よりも2分遅い歴代最遅記録だった。チェプンゲティッチが「必死に理性を保った」と話せば、2位のチェリモ(バーレーン)も「暑すぎた」と疲労困憊(こんぱい)。日本勢では谷本がユニホームの裾を着るなどの加工や、給水で氷などを駆使し、粘りの走りで7位入賞を果たしたが、天満屋の武冨豊監督も「2度とこういうレースは走らせたくない。やっぱりちょっとキツい。気温も湿度も」と、神妙な面持ちで話した。「昼間にやっていたら死人が出ていたかも知れない」と話す関係者もいた。

 同じく猛暑が予想される1年後の東京五輪にも懸念が広がる。真夏の東京で8月2日(女子マラソン)、9日(男子マラソン)の午前6時スタート。今年の気象予報会社ウェザーニューズの8月2日の測定では、スタート時点で30度を超え、湿度も70%を記録した。いかにしてリスクを減らせるか。教訓とすべきレースとなった。

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