関取最年長の嘉風が引退発表 37歳、懸命のリハビリも決断 年寄「中村」を襲名

 「大相撲秋場所・5日目」(12日、両国国技館)

 元関脇で関取最年長37歳、西十両7枚目・嘉風(尾車)が現役引退することが12日、日本相撲協会から発表された。年寄「中村」襲名も理事会で承認された。

 右膝を手術し全休した先場所に続き12年ぶり十両に降下した今場所も休場。本人は三重県内の病院で懸命にリハビリを続けてきたが、途中出場も困難で来場所、幕下に番付を落とすことは避けられなくなった。

 前日、リハビリ先の病院から師匠の尾車親方(元大関琴風)に「幕下に落ちて先が見えないし年も年だし引退したい」と引退の決断を伝え、師匠も承諾した。「土俵で終わりたかった。親方の前で引退の報告をしたかった」と嘉風は悔しがっていたという。

 現役16年、現役1位の金星8個を獲得。常に真っ向勝負を信条とし、屈指の人気力士だった。体も大きくはなく、若い頃は器用で変化技も多用したが親方から「土俵入りしても拍手ないだろ?記録より記憶に残る力士になれ」と、ハッパをかけられ、相撲スタイルは、変わった。

 「30歳くらいかじゃないの。伸びてきたのは。それ(真っ向勝負)をやってくれた。自慢の力士だった。嘉風が土俵に上がると何かしてくれると、土俵が沸いた。内心うれしかった」と師匠は振り返った。

 今年初場所の豪風(現押尾川)に続き、尾車部屋自慢のベテラン2人が相次いで引退。「今年の正月には考えてもいなかった。運命だな」と師匠も寂しげ。

 中村を襲名し、指導者となるまな弟子に「これからの方が長い。悔しい分、次、弟子を育てればいい。彼の真っすぐな相撲を伝授してやってほしい」とエールを送った。

 嘉風は近日中にリハビリ先の病院から東京に戻り、引退会見を行う予定。

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