池江璃花子、サプライズ観戦だった 親友の今井月「びっくりした」目の前でベスト更新
「競泳・日本学生選手権」(6日、東京辰巳国際水泳場)
白血病と闘っている競泳女子の池江璃花子(19)=ルネサンス=が2月の病気公表後初めて公の場に姿を見せ、プールサイドで観戦した。マスク姿で所属する日大の青いTシャツを着用し、赤いメガホンで応援。決勝前の休憩時間には親交のある選手らと会い「頑張ってね」などと声を掛けていたという。
今は一時退院中で、本人の強い希望で実現したという“現場復帰”だったが、事前には伝えていなかったため、いきなりのサプライズ訪問に周囲は一様に驚いていた。
親友の今井月(19)=東洋大=も「びっくりした。(来ることを周囲に)言わないでおいたらしい」と驚いた様子。盟友の競技復帰を心待ちにしているだけに、「(池江が)また水泳会場に来られるだけでも私はうれしい」と回復ぶりを喜んだ。
盟友の観戦効果か、今井は女子100メートル平泳ぎで自己ベストを3年ぶりに更新する1分6秒91で優勝してみせた。取り組んでいるウエートトレーニングの効果を実感したと同時に、「(池江が)見ていてくれてとてもうれしい。パワーになった」と励みになったという。
男子400メートル自由形で優勝した吉田啓祐(19)は池江と同期の日大1年。大会直前には腰痛や左足親指骨折などに見舞われて十分な練習が積めなかったが、休憩時間に池江と会った際に「ケガは大丈夫?」と気遣われたといい、「来てくれてうれしかった。力になる」と感謝していた。
日本代表でリレーを組んだこともある白井璃緒(19)=東洋大=は、「『頑張って』という言葉をもらった。応援に来るくらい元気だったのでホッとしてます」と安心した様子。自身は200メートル背泳ぎで大会記録の2分7秒87をマークして優勝し、「(池江が)このタイムを見て驚いてくれたらうれしい。私の泳ぎで復活への励みにしてくれたら」と元気を届ける快泳を誓った。