寺内健 東京五輪1号!坂井丞と男子シンクロ板飛び込みで6度目の代表入り

 東京五輪内定1号となり笑顔の寺内健(右)と坂井丞
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 「水泳・世界選手権」(13日、光州)

 飛び込みの寺内健(38)坂井丞(26)組(ミキハウス)が、男子シンクロ板飛び込み決勝で7位に入り、全競技を通じて第1号の東京五輪日本代表入りを決めた。寺内、坂井組は世界選手権8位以内との日本水泳連盟の選考基準を満たし、1964年以来2度目の自国開催五輪で史上最多500人超と見込まれる日本選手団への一番乗りとなった。ともに2大会連続の五輪代表で、寺内は6度目の五輪代表入りで、馬術の杉谷泰造(杉谷乗馬ク)と並ぶ日本選手の夏季最多となった。

 得点を確認しない主義を貫く寺内も、当落線上のしびれる展開に置かれていることは感じ取っていた。5本を終え、9位と3・54点差の8位。最後1本は「丁寧に」を意識して跳んだ前宙返り3回半エビ型。予選より2点近く得点を伸ばして内定1号の座をつかみ「苦しかったが、粘り強く戦えた結果」と胸を張った。シンクロは日本勢にとって初出場。夏季最多タイとなる6度目の五輪も決めた。

 小学5年で競技を始め、高1で初出場した96年アトランタ大会以来、五輪の魔物に振り回され続けた。38歳。09年の引退、11年の復帰。競技人生のゴールは決めていなかったが、5度目の16年リオは予選敗退に終わった。悔しさに暮れる中、所属のミキハウスの先輩である柔道・野村忠宏氏から何気なく掛けられた「4年後も頑張るんやろ?」という言葉に「目指していいんだ」と救われた。

 名実ともに飛び込み界のレジェンドだが、本人は「まだ自分は(その名に)ふさわしくない」と控えめだ。数年前は若い選手の中でもがく自分に「なにハキハキ飛んでるんや」と恥ずかしさを感じたこともあったという。しかし国内外の選手から驚きや尊敬のまなざしを向けられる中で、今は「誇り」を持てるようになった。

 その道のりに思いをはせながら「気付けば6回目」と振り返った寺内。「今までで一番の結果を求めてこの1年を過ごしたい」。目指すのは五輪での飛び込み界メダル1号だ。“6度目の正直”となる東京で、真のレジェンドに-。その夢をかなえるため、38歳の第一人者が日本で誰よりも早く五輪行きの切符を勝ち取った。

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