貴景勝2敗死守!大関昇進へ1秒9の電車道 八角理事長「最高の立ち合い」

 「大相撲春場所・8日目」(17日、エディオンアリーナ大阪)

 大関とりに挑む関脇貴景勝が平幕遠藤を突き出して3連勝で6勝目を挙げた。中日、2敗を死守して折り返し、昇進ノルマへあと4勝。2横綱、3大関総当たりの後半戦に勝負を懸ける。横綱白鵬が栃煌山を逆転の小手投げで退け、自身最多を更新する47度目の中日勝ち越しを決め、単独トップに立った。全勝で並んでいた逸ノ城が大関栃ノ心に敗れた。1敗で横綱鶴竜、高安、豪栄道の2大関、平幕の逸ノ城、碧山が追う。

 貴景勝が相撲巧者の遠藤に何もさせなかった。低く当たって下から猛攻。回り込む隙を与えず、1秒9の電車道で突き出した。「終わったのであしたの準備してやるだけ。毎場所と同じ気持ち。気負いも緊張もない」。支度部屋ではいつも通り淡々と語った。

 3連勝で2敗を死守していざ運命の後半戦に臨む。平成以降、25人が大関昇進した中、昇進を決めた場所で中日まで3敗を喫した例は00年夏場所の雅山だけ。関脇の地位は上位戦が組まれる後半戦が厳しい。前半で6勝は昇進へ何とか及第ライン。今場所は好調な横綱、大関陣だけに22歳の真価が問われる。

 「ここからだと思っている。あとは気持ち」。先場所後から「大関になる」と公言し、自身の精神面と向き合った。稽古以外の時間もすべて相撲に集中。重圧を乗り越えることを自らに課した。今場所、大関昇進ノルマは10勝であと4勝だ。

 弾みの付く快勝で折り返し。八角理事長(元横綱北勝海)は「最高の立ち合い。こういう立ち合いをすれば乗ってくる。今場所は勝っても負けてもぶれない。自分の相撲を取り切ろうとするのが見える」と絶賛した。

 昨年春場所は右足を負傷し途中休場。10日目以降は病院で相撲を見ていた。「歯がゆかったのを思い出した」。あれから1年、“準ご当所”の大声援を浴びて大関とり。「期待を裏切らないように」と応援が何よりのパワーになっている。

 勝負を懸けるあと7日。「13勝2敗にも6勝9敗にもできる」。ぶれない精神力で突進あるのみだ。

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