元稀勢の里の荒磯親方、稽古で高安を圧倒 スタミナ面でも余力

 「大相撲春場所」(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)

 荒磯親方(元横綱稀勢の里)が28日、弟弟子の大関高安(28)=田子ノ浦=と2日連続となる三番稽古を行い、27番取って18勝9敗と圧倒した。

 先場所で現役引退したが、親方となってもまわしを締めてみっちり稽古を続けており、力は衰えていない。左四つで組み止め、力勝負からの寄り切り。立ち合いで押し込まれながらも、土俵際、重い腰で残して突き落としで何度も逆転した。中盤、9連勝をマークするなど圧巻。スタミナ面でも余力があった。

 それでも、立ち合いから一気に土俵際まで持っていかれた時には「おー」と感嘆。弟弟子の馬力は想定を上回った様子。「(高安は)良かった。勢いもあるし。はまったらいいものあった。攻めが速くなっている。そういうのを目指してほしい」と褒めた。

 自身が引退し、高安を横綱に引っ張り上げることが使命。「高安は強いと思っていい。相手をけん制するとかいらない。頭も付けないでいい。速い攻めで体を預けた方が相手は嫌。そこを伸ばしていけば安定感につながる。東京で(稽古を)やった時より断然良くなっている」と太鼓判を押した。

 29歳となった高安はこれから絶頂期を迎えると予告。「ちょうど熟して花が開く。今まで40、50くらいしか出せない力が70、80、90くらい力が伝わる。これと決めたものを行き当たりばったりじゃなく、確信に変えていくと一日一日成長する」と、自身の経験を踏まえ助言した。

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