「神様が池江の体使って」 橋本JOC副会長

 日本オリンピック委員会(JOC)の橋本聖子副会長は16日、東京都内で開かれたイベントの講演で、白血病を公表した競泳女子の池江璃花子選手に言及し「五輪の神様は今回、池江璃花子の体を使って、五輪、パラリンピックをもっと大きな視点で考えなさい、と言ってきたのかなと私は思った」と発言した。

 その上で、昨年からスポーツ界で不祥事が多発していることを口にして「スポーツ界全体がそんなことで悩んでいるべきではない。大きなことではあるが、ガバナンス(組織統治)、コンプライアンス(法令順守)で悩んでる場合じゃない、もっと前向きにしっかりやりなさいよということの発信を、池江選手を使って、私たちに叱咤激励をしてきてくれているのかなとさえ思った」とも述べた。

 五輪に夏冬計7度出場した橋本氏は自民党で参院議員会長も務める。講演後に取材陣から真意を問われた橋本氏は池江選手が「神様は乗り越えられない試練は与えない」とつづったことに触れ「やっぱりスポーツ界全部がもう一度新たな気持ちで一緒になって頑張って立て直していかないといけないということを池江選手のメッセージから私は受け取ったということ。池江選手が治療に専念できる環境、頑張ってもらえる環境を私たちがつくらないといけないと教えられた」と説明した。

 講演では自身が高校時代に腎臓病を患った体験も語った。「(自分も)病気から何とか立ち直ることができた一人でもある。非常に身近に、娘のように感じていた。何とか頑張ってほしいと思うと同時に、彼女ならできると信じている」とも話した。

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