【東京へ駆ける・中】福原愛さん 出会いは財産-全部卓球が結びつけてくれている

 2020年7月24日に開幕する東京オリンピックまで約1年半となった。さまざまな角度から自国開催の一大イベントを掘り下げる新企画「東京へ駆ける」がスタート。1回目は、卓球女子の12年ロンドン五輪女子団体銀メダリストで、16年リオデジャネイロ五輪の団体では銅メダルを獲得し、昨年10月に第一線を退いた福原愛さん(30)が登場。東京五輪や4大会連続で出場した五輪、自身の卓球人生や私生活などへの思いを、3日連続で掲載する。2日目の今回は、卓球の手ほどきを受けた母・千代さんへの思いなどを語り、子どもたちへのメッセージも寄せた。

  ◇  ◇

 -卓球をやって良かったことは。

 「みんな卓球を通して知り合った方ばかり。30歳になって思うのは、人とのご縁だったり、周りの方から刺激を受けたり、出会いというのは財産だなと。全部卓球が結びつけてくれている。すごく人生を豊かにしてくれていると思います」

 -お母さん(千代さん)に対しては。

 「感謝と、あとはすごいなって。私に同じことを娘に、って言われても絶対にできないと思います。寝ていなかったんじゃないかなと。夜6時から10時まで毎日練習していたので。私が学校に行っている間に、たぶん家事とかもして。でも、ちゃんと毎日、おみそ汁の具が違っていたんですよ。自分が主婦になって分かるんですけど、おみそ汁の具を毎日替えることって、結構難しいと思うんです。お弁当も作って、夜練習して、ユニホームも洗わないといけない。どう時間配分をしていたんだろう?って、今度機会があれば聞いてみようかと(笑)」

 -切磋琢磨(せっさたくま)してきた石川佳純さん、伊藤美誠さん、平野美宇さんについては。

 「初めてできたライバルで、年下の選手で戦うことになったのが佳純ちゃんだった。一番刺激を受けた選手かもしれないですね。意識ももちろんしました。年下の選手であれだけ強くて頑張っていて。私も頑張らなきゃ、と思いましたし。美宇と美誠は、また特別。かわいくてかわいくて。2人とは12歳違うんですよ。干支(えと)が同じたつ年で」

 -以前ほど中国と日本の差はなくなってきていると思うが。

 「いろんな要因があって、例えばルールが変わっていることもあると思いますが、日本選手の技術が上がっています。中国の選手は技術力、戦術力がものすごく高いので、どこで崩れるかと言ったらメンタルだと思うんですね。勝って当たり前という中で、13億人いる国で『あなたが勝てなかったら代わりはいくらでもいるんだよ』という状況で毎回試合をしている。変に私が連続2回勝った選手は、そこから2年間試合に出てこなかったりするような…。負けたらどうしようというスキが、日本選手がレベルアップしたことでどんどん大きくなってきているのかなと」

 -福原さんが勝つと、相手は研究してきていたのでは。似たタイプの選手がいて動揺はしなかったか。

 「私のコピー選手がいて、私が髪形を変えると、次の大会までに絶対に髪形が同じになっているんです。切ったら切って。伸ばしたら伸ばしてて。動揺はしていなかったけど、何で髪形が一緒なんだろうって(笑)。コロコロ変えるようにしたら追いつかなくなってきました(笑)」

 -メディアの存在については。

 「ものすごく感謝しています。メディアの方がいなかったら、私が今どういう状況とか、どういう結果を出したかは伝わらないわけじゃないですか。ファンの方や応援してくださっている方に。特に東日本大震災が起きてからはメディアの方の力をお借りして、少しでも被災地の方にいいニュースが届くようにという思いが強かったので。思春期とかは、つんけんした態度だったり、初めはインタビューにもならなかったりとか、大変だっただろうなと」

 -子供たちへのメッセージがあれば。

 「私はずっとスポーツをやってきたので、子供たちが何らかのスポーツとか、東京五輪で刺激を受けて自分の未来とか夢につなげてほしいなっていうのはあるんですけど。スポーツに限らず、何か自分が好きなものを見つけるのはすごく大事なことだと思うので、いろんなものに挑戦したりとか。今、娘が1歳2カ月でいろんなものに興味を持つ時期なんですけど、危なくない限り、何でもやらせたいですね」(下に続く)

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