阿部詩が“伝説の格闘家”とスパーリング「軟体動物のよう。恐怖感あった」

柔道女子代表に柔術の講習を行う中井祐樹氏(左)とスパーリングで手を合わせた阿部詩
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 柔道女子日本代表の強化合宿が8日、都内で行われ、報道陣に公開された。“伝説の格闘家”で日本のブラジリアン柔術の第一人者である「パラエストラ東京」代表・中井祐樹氏(48)を講師に招き、約3時間半に渡って寝技の講習だけという特別メニューが行われた。

 3年連続5回目の中井氏による柔術講習だが、今回は強化陣からの要望で、国際大会で海外選手が繰り出す独特な絞め技の防ぎ方や、ルール改正で可能となった寝技体勢からの立ち技(帯取り返し)への対処など、近年日本選手が苦戦しがちな場面での対処方法を実際の試合映像を見ながらリクエストした。

 それを受けて、中井氏は七帝柔道、総合格闘技、ブラジリアン柔術などで長年培ってきた技術体系から、基礎、応用に及ぶテクニックを紹介。選手はその都度ドリルを行いながら、「なるほど」と膝を打つ場面も相次いだ。

 52キロ級世界女王の阿部詩(うた、18)=兵庫・夙川学院高=は、実際に中井氏とスパーリングも行った。かつて“400戦無敗の男”ヒクソン・グレイシーとも激闘を繰り広げた同氏の寝技を体感した阿部は「(中井氏は)圧が違う。(体が軟らかく)軟体動物のようだった。どこからでも(寝技で一本を)取られそうな恐怖感があった」と述懐。講習を通して「柔道にも生きてくる」と手応えを示した。

 キレ味抜群の立ち技が武器の阿部はかつて寝技を苦手としていたが、出稽古を繰り返して苦手意識を払しょく。昨年の世界選手権では世界ランク1位のブシャール(フランス)から腕がらみで一本を奪う衝撃的な勝利を収めたこともある。「最近はだいぶ寝技もできるようになってきた」と手応えを口にした。

 継続的に寝技を強化している日本女子は、昨年の世界選手権では7階級中5階級を制した。中井氏は女子代表の寝技レベルについて「かなり高いと思う。(寝技に)自信がないと言う選手も多いが、やってみるとそしゃく力が高い」と話し、「身体能力が高いし、やったことをすぐ使えるのは飲み込みが速い。さすがトップエリート」と称賛した。

 その上で、「本当に(今回の技術を)試合で出せるかどうかは心がけによるので、今日やったことをどう考えるか」と付け加えることも忘れず、「技を教えているようで(1つの)やり方を教えている。その中からオリジナルの技をつくってくれたらいい」と期待していた。

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