青学大・原監督「またゼロから」復路Vも届かず2位“ゴーゴー大作戦”失敗 

 「箱根駅伝・復路」(3日、神奈川県箱根町芦ノ湖駐車場~大手町)

 往路でトップと5分30秒差の6位だった青学大は猛追を見せたが、10時間55分50秒で2位に終わり、史上3校目の総合5連覇はならなかった。ただ、4年連続で6区を走った小野田勇次(4年)が57分57秒の区間新記録を樹立し、3区間で区間賞を獲得するなど復路優勝で意地を見せた。また、MVPにあたる金栗四三杯には、8区で区間新記録をマークして東海大の初制覇に貢献した小松陽平(3年)が選ばれた。10位の中央学院大までが来年のシード権を獲得した。

 いつも大手町に響いていた原監督の高笑いが今年は聞こえない。「敗軍の将は(兵を)語らずですよ」。4年間、箱根駅伝を牛耳ってきた青学時代についに終わりが訪れた。「来年は必ず胴上げしてもらえるように、またゼロからスタートします」。冠を失った名将が再出発を誓った。

 小野田の6区区間新を皮切りに全員が区間2位以内と圧巻の猛追リレーで復路Vを果たした。それでも東海大の背中は見えなかった。指揮官は「地力を見せられた」と目を細めたが、だからこそ悔やまれるのは往路の大ブレーキ。「私の采配ミス。選手を見極める力が足りなかった」。選手の特性や調子を見抜くことに絶対の自信があったからこそ落胆は大きかった。

 惨敗した前夜、いつも自信満々の指揮官もさすがにショックを受けた。各選手に「平成の伝説をつくろう」と大逆転を鼓舞したが、言葉とは裏腹に声に力がない。選手は敏感だった。小野田は「僕らが『復路で逆転します』と言っても反応が薄かった」と振り返り、「あんな弱気な監督は見たことがなくて新鮮だった」と明かした。

 4連覇で蓄積した練習データやノウハウを駆使した強化方法で圧倒的な選手層をつくりあげ、「過去最高のチーム。集大成を見せられる」と豪語した。しかし、「昨年はこうだった」と過去の成功体験と比較するやり方は日進月歩の陸上界では取り残される危険性も秘めていた。

 「進化を止めたら退化になるんだなと感じた。立ち止まった時点で後退する。サラリーマンも同じでしょ?」と負けても原節は健在。「また新しい何かを探してチャレンジしていかないといけない」。常識破りのアイデアで陸上界に新風を吹かせた頃のベンチャー精神を取り戻し、再び青学時代を築き上げる。

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