宇野昌磨ミスっても首位 鬼門トーループで転倒…苦笑い「いいかげん向き合って」
「フィギュアスケート・NHK杯」(9日、広島県立総合体育館)
男子ショートプログラム(SP)で宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が92・49点で首位発進。山本草太(18)=中京大=は74・98点で6位、佐藤洸彬(22)=南部美人=は67・38点で10位だった。
女子SPは宮原知子(20)=関大=が今季世界3位の76・08点をマークし、2位につけた。三原舞依(19)=シスメックス=は70・38点で3位。GPデビュー戦の紀平梨花(16)=関大KFSC=はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で回転不足となって転倒し、69・59点で5位。エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)が76・17点でトップに立った。
また…。湧き上がるその思いに、苦笑いを浮かべるしかなかった。宇野は4回転-3回転の連続ジャンプを予定していた演技中盤の4回転トーループで転倒。「心残りだけど、思いきりいっての結果。悔やんでも仕方ない」。あっさりと自身の“弱さ”を受け入れ、思考を切り替えた。
転倒したトーループは、かねて鬼門。昨季も連続ジャンプの二つ目が2回転になるなどクリーンな出来は少なかった。試合では練習以上に気合が入り「いつもより体が動きすぎ、回りすぎてしまう」と言う。原因は「体を調整できなかった」ことと分析。克服は「試合でやれることではない」といい「練習でどう対策するかが必要。いいかげん向き合っていかないと」と頭をかいた。
これまでマークしてきた得点や跳べるジャンプからして今大会の“持ち点”は断トツ。転倒でつけられなかった連続ジャンプ一つ分の得点を逃しながら、ステップでは会場から手拍子が湧き起こるなど五輪銀メダリストらしい貫禄の演技を披露し、なんとか首位発進した。
フリーへ「今さらすることはない。全力で頑張ります」。一喜一憂はしない。高みを目指すからこそ、冷静に足元を見つめた。





