貴乃花親方退職決定 高砂一門での親方受け入れ検討も…直接面会要望もかなわず

 日本相撲協会は1日、貴乃花親方(46)=本名花田光司、元横綱=が退職すると発表した。この日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、貴乃花部屋の力士ら全10人の千賀ノ浦部屋移籍を承認し、貴乃花部屋は消滅。貴乃花親方の退職届も受理された。八角理事長(55)=元横綱北勝海=は会見で、所属先の決まらぬ同親方を自身の高砂一門で引き受ける意向だったことを明かし、最後まで直接会談できなかったことを残念がった。同親方はこの日午前、自身応援会のHPを更新し相撲への愛などをつづった。

 10月1日付で角界から「貴乃花」の名が喪失することが決まった。午後1時から34分の臨時理事会では部屋の力士8人、床山、世話人の計10人が千賀ノ浦部屋へ移籍することが全会一致で承認された。これにより貴乃花部屋が消滅。引退届を提出していた貴乃花親方の退職が確定した。

 9月25日に突然の引退会見。3月に提出した告発状に関し、事実無根と認めるよう協会から圧力を受けたと主張した。貴乃花親方と協会は最後まで対立構造が解けぬまま、結末を迎えた。

 会見した八角理事長は「貴乃花親方は22回の優勝を成し遂げた立派な横綱。今回このような形で相撲協会を去ることはまことに残念」と無念を口にした。 直接会って一門への所属の件を話し合うことを希望していた。千賀ノ浦親方、担当弁護士を通じ説得してもらったが、かなわなかった。全親方は5つある一門に所属する義務があり、9月27日の理事会までに貴乃花親方の所属が未定ならば自身の高砂一門での受け入れも想定していた。

 「貴乃花親方を高砂一門で引き受けることを、一門のみんなと話し合うつもりでした」。高砂一門以外でも、すべての一門が門戸を開いていることを貴乃花親方の弁護士に協会の弁護士から伝えた。慰留に力は尽くしたが届かなかった。

 貴乃花親方はこの日の臨時理事会前、自身の応援会HPに“決別”メッセージを更新。弟子との絆、部屋の関取第1号、貴ノ岩との思い出、そして「大相撲は不滅です。土俵は必ず日本国の遺産として遺ります」と相撲愛を記した。

 叔父で“土俵の鬼”と称された元横綱若乃花勝治が1946年九州場所で初土俵を踏んでから72年。父、元大関貴ノ花満が師匠となり兄、横綱若乃花勝と若貴ブームを巻き起こしたロイヤルファミリー「花田家」。31年間、角界の中心にいた貴乃花が花田光司に戻った。

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