朝阪神 改名後初の勝ち越し決める 再改名危機も回避「やっと…」
「大相撲秋場所・12日目」(20日、両国国技館)
大阪出身でプロ野球の阪神タイガースファンであることからしこ名を春場所前に改名した西序ノ口4枚目の朝阪神(18)=高砂=が丹治(荒汐)を押し出して7番相撲で4勝目を挙げ、改名後初の勝ち越しを決めた。
1度目は突っかけ、2度目の立ち合い。踏み込み力強く、変化した相手をよく見て押し込んだ。素早い相手を出足一気に仕留めた。
「やっと勝ち越しました。本当に良かった」と重圧から解放され安ど。「相手が細いので変化あるからと1度は突っかけていたけど(2度目)は落ち着いていた。変化してくれて予想通り。立ち合いからああいう相撲を取ればいい。今場所1番いい相撲」と、会心の一番を振り返った。
名前も浸透しており館内も「ハンシン~」の声援が飛ぶ。阪神グッズをプレゼントしてくれるファンもいる。もちろん阪神ファンの父からは前日、「やらなあかん時はやらなあかん」と、ハッパ。まさに今季のタイガースのスローガン「執念」で勝ち切った。
改名後、3場所連続で3勝4敗とあと一歩勝ちきれず、序二段から序ノ口に落ちた。部屋からは再改名を勧める声も挙がっていたが、勝ち越したことで「朝阪神」は続投。勝ち越せば部屋の千秋楽パーティーで歌うことを楽しみにしていた六甲おろしも「歌います」と喜んだ。
タイガースはクライマックスシリーズ進出へ向け、必死の戦いが続く。「あと一番、五番勝って終わりたい」と本家同様、最後まで「執念」を見せる。