稀勢の里 危な勝った 平幕に大苦戦…投げられるも横綱の意地 紙一重で連敗阻止

 「大相撲秋場所・7日目」(15日、両国国技館)

 左大胸筋負傷などで8場所連続休場から進退をかける横綱稀勢の里は、平幕千代の国を寄り切って6勝目を挙げた。激しい突っ張りに耐えて、最後は投げに崩れながら紙一重で連敗を阻止した。白鵬は遠藤の腰砕けで勝ち、鶴竜は正代を押し出して2横綱が7連勝。大関高安、平幕北勝富士を含む4人が全勝をキープした。大関とりの関脇御嶽海は小結貴景勝を逆転の突き落としで仕留め、1敗を守った。

 裏返しにされ、稀勢の里が天井を仰いだ。館内は悲鳴とため息。しかし、投げに崩れ落ちる前に相手の左足が俵の外に出ていた。軍配は横綱。勝ち名乗りを受けると、笑みを浮かべた。そして「ウオーッ」と、地鳴りのような歓声が響いた。

 動きの速い元気者の千代の国に顔面を何度も突っ張られ、いなされて、押されて、足技も受けた。猛攻を耐えてしのいで左を差したが、上手も取られる苦しい展開。数度の投げも踏ん張った。

 最後は強引に前に出たところを、上手投げを食らって土俵外にゴロン。寄りが早く、相手が一瞬、先に飛び出した薄氷の勝利。58秒9の大熱戦を制した。

 2日目から4日連続の逆転勝利を収めた。前日、初黒星を喫し、この日もハラハラの稀勢の里劇場。「まあ、しっかりやりました。あした、またしっかり集中していきます」。支度部屋では日に日に口数も減っていく。観客は盛り上がるが、進退をかけた場所で心身とも半端ない疲れがのしかかっているのは間違いない。

 7場所連続休場明けの場所で12勝を挙げた貴乃花親方(元横綱)は「クタクタでしたよ。6、7、8日目くらいが気持ち的にね」と当時を振り返る。「普通に攻める気持ちを持って。地力はある。15日間取り切る気持ちで」とエールを送った。

 八角理事長(元横綱北勝海)は連敗しなかったことを評価。「勝つことだよ、今場所は。(頭からいった稀勢の里は)気合が入っている。だから最後に残れる」とうなずいた。

 6勝1敗とし、中日は小結玉鷲が相手。過去9勝2敗も、前戦の昨年九州場所初日は押し出された。難敵を突破し、後半戦へ弾みをつけたい。

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