稀勢の里 引退危機を脱出!流血ハラハラ劇場制して4連勝「やることをやりました」

 「大相撲秋場所・4日目」(12日、両国国技館)

 左大胸筋負傷などで8場所連続休場から進退をかける横綱稀勢の里は、平幕魁聖を寄り切って4連勝に伸ばした。体重207キロの相手に頭からぶちかまし、鼻から流血する激戦を制した。自身の初日から4連勝以上は幕内で過去16度あり、最終結果はすべて9勝以上。2桁勝利も14度と引退危機脱出へデータも後押しだ。横綱鶴竜、白鵬も勝ち、3横綱の初日からの4連勝は89年春場所(北勝海、千代の富士、大乃国)以来29年ぶり。大関高安、大関とりの関脇御嶽海、平幕の北勝富士、嘉風を含めた7人が全勝を守った。

 我慢、我慢の末、稀勢の里が力を振り絞った。207キロの魁聖が力尽き、やっと土俵を割った。58秒8の大熱戦を制し、左の鼻から血がしたたり落ちた。

 立ち合い、頭からぶちかました。合計383キロが激突し「ゴツン!」と衝撃音。左を差し、必勝形に組み止めた。だが寄り切れず、上手を許した。慌てず体勢を整えて、相手の上手を切って勝機。最後は上手を引き、横綱の意地を見せつけた。

 支度部屋では我慢か?と問われ「うん」とうなずいた。「しっかりやることをやりました」。手応え十分の力勝負を振り返った。

 幕内昇進後、初日から4連勝以上は過去16度。そのうち、16度すべてが9勝以上、2桁勝利も14度と大失速は少ない。8場所連続休場から進退をかける場所。最低ノルマが9勝なら引退危機脱出の確率は100%、2桁勝利も8割7分5厘とデータが後押しする。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「今場所は内容うんぬんよりも結果だから。必死だよね」と気迫は評価。一方で「前に出る馬力がないから苦戦している。若い時とは違う。稽古をしないと(馬力は)出てこない。こういう相撲を取れば良くなっていく。(しかし)一つ負けるとガラリと変わるからね」と、まだ本調子には遠く、不安を感じ取った。

 「一日一番しっかり集中して、あしたやっていく」と、いつも通りの“稀勢節”。2、3日目は逆転で薄氷の勝利をつかみ、この日も苦戦。悲鳴と大歓声、ハラハラの劇場は続く。

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