御嶽海、高安に敗れ悔し初黒星…報道陣に背向け「いいクールダウンに」
「大相撲名古屋場所・12日目」(19日、ドルフィンズアリーナ)
大関高安(28)=田子ノ浦=が、全勝でトップを独走していた関脇御嶽海(25)=出羽海=に土をつけた。攻め込まれたが土俵際、執念の突き落とし。行司軍配は相手に上がったが、物言いの末、足が残っており、軍配差し違えで白星を手にした。負ければ13日目に優勝が決まる可能性があったものの、大関の意地で阻止し、かど番を脱出した。2敗が消え、3敗で追うのは大関豪栄道、平幕の豊山、栃煌山、朝乃山の4人。御嶽海は13日目に豪栄道と対戦する。
相当悔しかったのだろう。御嶽海は支度部屋に戻ると、報道陣に背を向け、しばらく無言を貫いた。髪を結い、身支度を済ませてから、ようやく心の整理がついたのか、言葉を口にした。
「これからが力の見せ場では?」と質問されると、ちょっぴり自嘲気味に「いいクールダウンになるでしょう」。「いい相撲だったですね?」と聞かれた時には「大関相手でも勝たないといけない」と負けん気を表に出した。
際どい一番だったが、軍配差し違えで取り直しもなく初黒星。「しようがない、しようがない」と2度言い、優勝への意識については「全然」と平静を装った。
13日目の相手も大関の豪栄道。決意を固めるように小さくうなずいて帰途についた。