「大相撲夏場所」（１３日初日、両国国技館）

　左大胸筋負傷などで６場所連続休場から再起を目指す横綱稀勢の里（３１）＝田子ノ浦＝が９日、出稽古は行わず都内の部屋で調整した。本人と話した師匠の田子ノ浦親方（元幕内隆の鶴）は「あしたもう少し（本人と）話して、体調を見て」と、夏場所の出場可否に関し、取組編成会議前日の１０日に決断する意向を明かした。

　この日、横綱は約２時間、基礎運動をみっちり。稽古後、仕上がりに関し「どうだろう、まだ分からない」と言葉を濁した。

　復活どころか不安だらけだ。３日の横綱審議委員会による稽古総見で３勝５敗と精彩を欠くと、４日、春日野部屋の出稽古で関脇栃ノ心に２勝８敗と大敗。周囲から休場を勧める声が高まった。８日は二所ノ関一門の連合稽古で平幕琴奨菊（佐渡ケ嶽）に圧力負けし６勝１０敗と惨敗。一門の親方衆から「自分を見つめ直さないといけない」など、ダメ出しを連発された。

　各力士が仕上げとなるこの日は横綱白鵬（宮城野）、鶴竜（井筒）が時津風部屋に出稽古し番数を重ねた。相撲すら取らなかった稀勢の里は心身とも万全にはほど遠い。

　７場所連続休場なら年６場所制となった１９５８年以降の横綱では貴乃花と並び最長タイとなる。