「女子テニス・国別対抗戦・フェド杯、日本１－１英国」（２１日、ブルボンビーンズドーム）

　日本はシングルスで世界ランク２２位の大坂なおみ（２０）＝日清食品＝が６－２、６－３で同７７位のヘザー・ワトソンにストレート勝ちした。奈良くるみ（安藤証券）は敗れ、１勝１敗。２２日はダブルスの加藤未唯（ザイマックス）二宮真琴（橋本総業）組を含む３試合が行われ、計５試合で３勝すれば１４年以来のワールドグループ（ＷＧ）２部復帰となる。

　聞き慣れない太鼓の音色も、会場に響く“なおみコール”も不思議と心地よかった。「日本でプレーするのは初めてだったので緊張した」と照れくさそうに話した大坂だったが、米国でツアー大会初優勝を果たした“凱旋試合”で、圧巻のストレート勝ち。ホームの大歓声に自然と気持ちは盛り上がった。

　まさにワールドクラスだった。最速１９４キロの“速球サーブ”はもちろん、巧みなコントロールで相手を翻弄（ほんろう）。「サービスで流れに乗っていけたのが試合の決め手」と振り返ったように、奪ったサービスエースは驚異の１１本。敗れたワトソンも「返すのは簡単ではない」とお手上げだった。

　世界を舞台に躍進を続ける新星を一目見ようと２５００席は完売。集まった満員の観衆は、太鼓やラッパに合わせてチアスティックをたたき、スタンドでは大坂の似顔絵パネルが揺れた。「今までにない応援でとても楽しかった。顔を持ってくれたのも面白い」。太鼓の音が「そこまで大きいとは」と日本流に驚きを隠さなかった。

　幼少期を過ごした母国で代表として戦う重圧を乗り越え「今はホッとしている」とはにかんだ大坂。期待されるのは『東京五輪日本代表』だという自覚はあるが「（胸の）日の丸より背中の『ＪＡＰＡＮ』がうれしい。東京五輪までまだ２年もある。楽しみだし、みんなの期待も分かっているけど、個人的には東京五輪はプレゼントのようなものだと思っている」。いまはがむしゃらに、目の前の試合に全力を注ぎ続ける。