【記者の目】川内、あくまで“ランニングファースト” スポンサー獲得には消極的

 “最強市民ランナー”が男の決断!世界最古のマラソン大会である第122回ボストン・マラソンで日本人31年ぶりとなる優勝を飾った公務員ランナーの川内優輝(31)=埼玉県庁=が19日、成田空港に凱旋帰国し、電撃的に来年4月でのプロランナー転向を表明した。今年度をもって埼玉県職員を退職する。5年間、自己ベスト(2時間8分14秒)を更新できておらず、さらに世界と勝負していくための選択。20年東京五輪挑戦の可能性も否定しなかった。

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 ひとえにプロといってもこれまでの選手たちとは違い、あくまで川内らしく“ランニングファースト”で新たなプロの形を作っていくことになりそうだ。

 体操の内村航平や、競泳の萩野公介のように、通常プロになった選手はマネジメント会社を付けて、スポンサーを集めるが、川内はスポンサーの獲得には消極的。12年にプロランナーとなったものの低迷している仲のいい藤原新を例に挙げ、「競技に集中するため(のプロ)であるはずだったのに、スポンサーに引きずられてうまくいかない部分もある。自分から積極的にマネジメント会社をつける必要はないと思っている」と、見解を示した。

 公務員としての安定した給料はなくなるが、今回のボストン・マラソンの賞金1600万円を当面の活動資金として、今後のレースの賞金、また、これまでは公務員規定に抵触するため断っていた出場料も受け取れるようになり、競技生活を運営していく。「結果が出なくて、お金が底をついたら、またどんな仕事でもしますよ」。まさにマラソンに人生を懸け、走りだけで道を切り開く。陸上界に一石を投じ続けてきた、川内らしい破天荒な挑戦となる。(五輪担当・大上謙吾)

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