貴乃花親方「ゼロから」2階級降格が決定…最下位年寄りに 3カ月で5階級降格

 日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で理事会を開き、貴乃花親方(45)=元横綱=の処分を委員から2階級下の年寄への降格と決めた。年寄は最下位の序列(再雇用者の参与を除く)で、親方全100人中では83番目。昨年は協会No.3の理事だったが、1月4日の理事解任から3カ月足らずで80人に抜かれた計算となる。月給も64万円ダウン。本人が「ゼロからスタート」とコメントした通り、厳しく出直しを突きつけられた。

 ついに落ちるところまで落ちた。前日の職務分担で役員待遇委員から1階級下の委員となった貴乃花親方はこの日、さらに2階級下で親方衆の序列で最下位の平年寄への降格が決定。昨年の元横綱日馬富士騒動発覚時は協会No.3の理事だった「平成の大横綱」が、1月の理事解任から3カ月足らずで5つも階級を転げ落ちた。

 理事会後の記者会見で八角理事長(元横綱北勝海)が春場所での貴乃花親方の無断欠勤が協会規定にある職務専念義務に違反し、暴力を振るった貴公俊の監督責任があることなどを指摘。鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は「(28日の)年寄総会での親方たちの意見や貴乃花親方の説明も加味して決めた」と説明した。

 協会処分規定で降格より重いのは解雇と引退勧告しかなく、今回の処分は事実上の最後通告。だが、前日の年寄総会では参加した親方から解雇相当の契約解除を求める厳しい声まであっただけに、最悪の事態は免れた形だ。鏡山部長は「われわれと一致団結し、協会を良くしていくため力を尽くしてほしいという願いを込めた」と話し、八角理事長も「真面目に仕事をしてくれて、組織人として改めてもらえれば」と悔い改める余地を与えた。

 理事会に呼ばれた貴乃花親方は入室から約25分後、会議室を出て国技館を後にした。出席者によると理事長らに謝罪し、素直に処分を受け入れたという。部屋に戻った後に文書で「自分に与えられた職務を果たしながら、弟子の育成と大相撲の発展のためにゼロからスタートしてまいります」などとコメント。昨年11月から続く“貴の乱”は腰砕けで収束に向かう。ただ言葉通りゼロからやり直すことができるのか、背負った十字架は重い。

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