柔道・井上康生監督も羽生結弦に感服「真の王者、とてつもないメンタリティーの持ち主」

 柔道日本男子監督で00年シドニー五輪金メダリストの井上康生氏(39)が19日、ドイツ遠征への出発前に成田空港で取材に応じ、平昌五輪で金メダルを獲得したフィギュアスケート男子の羽生結弦(23)=ANA=について「真の王者。体全体から発するオーラは何なんだというものがあり、全体を巻き込んでしまう力がある」と感嘆の声を上げた。

 日本中が固唾(かたず)をのんで見守った17日の大一番は、ミーティングを中断してテレビ観戦。「声を張り上げて見ていました。技術的なものはわからないが、独特な表現力、華麗さやしなやかさがあって、とてつもないなと思った」とたたえた。

 大会前に右足首を負傷しながらも王者の演技を見せたことについても、「とてつもないメンタリティーの持ち主」と最敬礼。「物理的にはケガをしない方がいいが、ケガを負った後に自分自身をどう持って行くのか(が大事)」と異常なまでの精神力の強さに目を見張った。

 柔道界でも1984年ロサンゼルス五輪で右足肉離れを負いながら優勝した山下泰裕氏や、92年バルセロナ五輪で左膝を痛めながら優勝した古賀稔彦氏らがおり、「古賀さんも『(負傷後に)勝てると思った』と言っていたし、山下先生も肉離れを負った後に『ポジティブな自分とネガティブな自分がしゃべり合って打ち勝つことができた』と言っていた。異次元の世界だが、人間の心理的な状況は自分次第で変わるものなんだなと」。真の王者に共通する“執念”に感服した様子だった。

 また、スピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒(相沢病院)についても「すごいの一言」と称賛。小平は日本選手団主将の重責を果たしたが、井上監督自身も04年アテネ五輪で主将を務めた経験があるだけに「いろんな葛藤があったと思うが、それをはねのけたのは実力ももちろん、とてつもない準備があったと思う。精神力には頭が下がる」と賛辞を送った。

 東京五輪の2年前となったが、柔道はお家芸としての期待が大きい。「我々も2020年に向けて大きなプレッシャーが懸かるが、最終的には自分を信じて戦うしかない。同じアスリートとして勇気と感動をもらった」と刺激を受けた様子だった。

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