大砂嵐 車運転で事故 しかも無免許か…本人否定「夫人が運転」 9日目から休場へ

 角界の不祥事が止まらない。エジプト出身で西十両8枚目の大砂嵐(25)=大嶽=が今月4日に現役力士に禁じられている自動車運転の末、長野県内で追突事故を起こしていたことが21日発覚した。無免許運転だった疑いもある。

 日本相撲協会は緊急協議を開き、追突事故を起こした大砂嵐と師匠の大嶽親方(元十両大竜)から事情聴取。春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は、大砂嵐は運転しておらず、夫人が運転していたと主張したことを明らかにした。大砂嵐は事故を大嶽親方と協会には報告しておらず、協会は22日以降に確認するとしている。大砂嵐は問題の影響で22日の初場所9日目から休場する。

 協会では力士が車の運転をすることを禁止としている。角界の交通事故は00年に闘牙が死亡事故、07年には旭天鵬が人身事故を起こしている。また11年には尾上親方(小結浜ノ嶋)が酒気帯び運転で警視庁に摘発されている。

 大砂嵐は最高位が西前頭筆頭。インターネット動画で見た横綱貴乃花(現親方)に憧れて力士を志して来日。「昭和の大横綱」大鵬(故人)の流れをくむ大嶽部屋で、大砂嵐も偉大な先人から薫陶を受け、成長した。今場所は21日の8日目も相撲を取り1勝7敗。6日目の19日はその恩人、元大鵬納谷幸喜氏の命日に白星。「(教えは)いつも忘れない」と話していた。

 大鵬の孫、納谷(17)が今場所、初土俵を踏み3連勝で“一番出世”を果たした。この日の新序出世披露で大鵬の化粧まわしを着用し、お披露目され、大きな注目を浴びた。明るい話題の中、同部屋の兄弟子が、泥を塗ってしまった。

 協会は再発防止を訴えながら、膿(うみ)を出し切ったどころか、また新たな醜聞にまみれた。前半戦は全て満員札止めに沸く初場所のファンを裏切った。

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