横綱DNAプロ初対決!大鵬孫、納谷の勝ち デビュー3戦全勝で新序出世一番乗り

 「大相撲初場所・5日目」(18日、両国国技館)

 前相撲の3日目が行われ、「昭和の大横綱」大鵬(故人)の孫、納谷(17)=大嶽=がモンゴル出身で元横綱朝青龍のおい、豊昇龍(18)=立浪=とプロ初対戦し、すくい投げで勝った。3戦全勝で新序出世一番乗りを果たした。前相撲は新弟子の多い春場所を除き、3勝した順から来場所の番付表にしこ名が載ることが決まる。幕内では横綱白鵬(32)=宮城野=が両足親指負傷でこの日から休場。勝ちっ放しは横綱鶴竜、関脇御嶽海、平幕の栃ノ心、朝乃山の4人となった。

 次代を担うスター候補のライバルが2戦全勝同士で早くも激突。会場は拍手喝采で、「大変だあ」と夢の“DNA対決”にうれしい悲鳴まで上がった。

 納谷は豊昇龍の低い立ち合いに上手を許したが、構わず圧力をかけ前に出た。相手の苦し紛れの首投げに合わせ、左からすくった。そのまま体を預け、押しつぶした。

 「結構気合が入っていた。しっかり相手を見て落ち着いて取れて良かった」と納得顔。高校2年の関東新人戦決勝で勝利して以来の対決はプロでも先勝。「(自分が)力を付けていたので自信を持っていこうと思った。しっかり前に出られて良かった」と振り返った。

 今後も出世を争う相手に勝ったことに「今回はたまたま。一緒にやっていけたらいい」と貫禄。1月19日は5年前に亡くなった偉大な祖父の命日。その前に3連勝で新序出世を決めた。21日に行う新序出世披露では「大鵬」と刻まれた祖父の化粧まわしを着用する。

 見守った師匠の大嶽親方(元十両大竜)は「危なかったけど前に出ているからよかった。結果は良しとしてここからスタート。先は長い。(大鵬の命日を前に新序出世を決め)ほんと、よくできた話ですよ」とうなずいた。母・美絵子さんは「ずっと3日間ドキドキでした。これから力士としてスタートするのでより一層頑張って」と感激の面持ちだった。

 天国の祖父に胸を張って報告できる。「しっかり3つ勝って良かった。今はすごくうれしい。番付に載ったら、やっとお相撲さんになれる。しっかり番付を上げていけるように」。通算32度の優勝を誇る大横綱を追う17歳が、満点発進を決めた。

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