白井が個人総合で銅 内村棄権も日本勢11大会連続表彰台死守

 「体操・世界選手権」(5日、モントリオール)

 男子個人総合決勝が行われ、世界大会初の個人総合出場となった白井健三(21)=日体大=が合計86・431点で銅メダルを獲得した。世界選手権で種目別床運動の2個、団体総合の1個の金メダルを含め、通算6個目のメダル。7連覇を狙った内村航平(28)=リンガーハット=が予選で左足首を負傷して途中棄権した大会で、2003年大会から11大会続く日本勢の表彰台を死守した。

 「6種目ができてこそ体操」という体操ニッポンの伝統を受け継いだ。スペシャリストだった白井が総合力で勝負する個人総合の表彰台に立ち「一番、自分がやってきたことが詰まっているメダル」とこれまでとはひと味違う感慨を口にした。

 最初の床運動で大技を繰り出し、15・733点でトップに立って勢いに乗った。跳馬でも唯一の15点台と得意種目で高得点を出し、他の4種目も力を出し切った。最終種目の鉄棒では今大会構成に入れ、予選で落下した離れ技の「屈身コバチ」を決め全体6位の13・966点。緊迫した舞台で全6種目を大きなミスなしにそろえたことが大きかった。

 試合中は「あれだけ練習してきたから大丈夫」と自信にあふれていた。昨年のリオデジャネイロ五輪に初出場後、負担の大きい6種目の通し練習を毎日最低1回行うことを日課とした。筋肉痛と闘い、器具に向かう姿を見てきた畠田コーチが「世界トップクラスの練習をしている」と太鼓判を押すほど。「今は個人総合の選手という自覚がある。床が駄目でも他で点を取ればいいと切り替えられる」と気持ちに余裕を持てるようになった。

 負傷棄権した内村からゼッケンをお守り代わりに渡され「航平さんが見てくれているから大丈夫」と言い聞かせたという。「結果を残せば航平さんは休んでも良かったかなと思ってくれる。安心してもらいたい気持ちが大きかった」と笑顔。「来年から勝てて本物」と風格十分に話す姿は、紛れもないオールラウンダーのものだった。

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