極める内村、体のキレ戻った!離れ技5つ決め「体操っておもしれーな」
「体操・全日本種目別選手権」(25日、高崎アリーナ)
世界選手権(10月、モントリオール)代表最終選考会を兼ねて決勝が行われ、男子は代表に決まっている内村航平(28)=リンガーハット=が、鉄棒で5つの離れ技を入れた新構成を成功させて15・750点をマークし、2年連続4度目の優勝を果たした。男子は平行棒で初優勝した田中佑典(コナミスポーツ)ら8人の代表候補が決まった。女子は、跳馬と床運動を制した宮川紗江(セインツク)、平均台で連覇した寺本明日香(中京大)が代表入りし、代表4人が出そろった。
新たな刀を抜いた内村が、また体操ファンの度肝を抜いた。離れ技5つを入れた新構成を初披露し、すべて成功。4月の全日本個人総合選手権、5月のNHK杯と苦戦続きだったが、「体のキレが戻ってきたし、『やっぱり体操っておもしれーな』と思った」と、久々の好感触を味わっていた。
中盤にはカッシーナからコールマンを連続で決めるなど圧巻の演技を見せ、着地を決めるとガッツポーズ。観客をあおるジェスチャーも見せ、「すごくいい演技だったので、もう少し拍手をくださいと。離れ技は鉄棒の醍醐味(だいごみ)なので極めていきたい」と胸を張った。
ルール改正で、上限が4つだった離れ技を5つまで入れられるようになった。個人総合とは違い、種目別では体力をフルに注ぐことができるため、冬から取り組んできた新構成に挑戦した。
手応えをつかみ「6個でも7個でも、全部離れ技でもいい」と舌も滑らかな体操王。鉄棒2連覇も視界に捉え、「世界選手権に向けて質を高めていきたい」と力を込めた。