稀勢の里、無傷12連勝!真凜に魅せた綱の貫禄

 「大相撲春場所・12日目」(23日、エディオンアリーナ大阪)

 稀勢の里は平幕荒鷲を寄り切って12戦全勝で単独首位を守った。初日から12連勝は自身3度目、1場所15日制が定着した1949年以降の新横綱では玉の海、旭富士に並び、先代師匠の故鳴戸親方、隆の里の15連勝に次ぐ2位タイとなった。大関照ノ富士が平幕遠藤を浴びせ倒し、唯一1敗をキープ。1敗だった関脇高安は横綱日馬富士に小股すくいで敗れ、平幕栃煌山も妙義龍に寄り切られ2敗に後退した。

 稀勢の里は勝機と見るや、がむしゃらに出た。差した左はまだまわしに手が届いていない。それでも出足一気。最後は体ごと寄り切り、自らも横転した。

 先場所2横綱、今場所も1横綱を破る“金星ハンター”荒鷲は不気味だった。「(土俵際の詰めは)いろいろな展開がありますから。体が反応した」。秒殺ながら、必死の白星だったのは右肘に負った約10センチの大きな擦り傷が物語っていた。

 ただ1人、初日から12連勝と白星街道を突き進み単独首位をキープした。1949年以降32人誕生した新横綱で無傷12連勝は史上4人目、2位タイ記録。上には83年秋場所で15連勝した先代師匠の故鳴戸親方、隆の里がいるだけだ。

 会場では15歳の天才フィギュア少女・本田真凜(関大中)が声援を送っていた。「早熟で晩成」と横綱はかつて自らをそう表した。10代で十両、幕内、三役と駆け上がった天才は先場所やっと初優勝。年長5位の30歳6カ月、大関31場所目は史上最遅だった。苦難を乗り越え、頂点に君臨する横綱の姿は刺激を与えたことだろう。

 先場所から続く自身最長の連勝も18に伸びた。最高潮の状態でいよいよ必勝3番だ。13日目は横綱日馬富士、14日目に横綱鶴竜、千秋楽は優勝争いで唯一1差で追走する大関照ノ富士を迎える。

 「しっかり集中してやればいい。あしたですね」。先代師匠に並ぶ新横綱全勝優勝へ死角は見当たらない。

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