稀勢の里綱1勝!豪風を瞬殺 史上4人目新横綱Vへ死角なし

 協会あいさつを行う八角理事長(中央)の後ろに並ぶ(左から)日馬富士、白鵬、鶴竜、稀勢の里
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 「大相撲春場所・初日」(12日、エディオンアリーナ大阪)

 19年ぶりに誕生した日本出身横綱、稀勢の里(30)=田子ノ浦=が平幕の豪風(尾車)を押し出し、横綱としての初陣を白星で飾った。ヒーローをひと目見ようと会場入り時から浪速のファンは熱狂し、本場所で初の土俵入りは館内が「ヨイショー!!」の大合唱。17年ぶりの4横綱で迎えた初日は、日馬富士、白鵬に土が付く波乱の幕開け。日本の期待を背負い、1場所15日制が定着した1949年以降、史上4人目の新横綱優勝へ突き進む。

 強い。異様な熱狂の中、稀勢の里がまさに横綱相撲を取り切った。豪風の低い当たりを受け止め、分厚い胸ではね返した。逃さず圧力をかけ、一気に押し出し、秒殺した。

 「変わらず集中してやった。土俵に上がれば(雰囲気は)変わらない」。いつも通りの短い言葉。「集中する」のフレーズは5度。新横綱でも変わらず、“稀勢の里語録”を繰り返した。

 浪速ファンが会いたかったヒーローがきた。前売り券は発売2時間半で15日間が完売。初日も当日券215枚は10分で完売した。会場の入口はぎっしり。登場するや「稀勢の里~!!」の大コール。披露した雲竜型に「ヨイショー!!」のかけ声が館内に鳴り響いた。

 「自分のことをやるだけ」。重圧をはねのける強さが今はある。先場所、30歳6カ月で初優勝。勝負どころで期待を裏切り続けた男は、殻を破ったことを横綱初陣で証明した。

 昇進後の行事では角界を引っ張る覚悟を何度も口にした。17年前の4横綱時代、中学生の自分がどれほど興奮したか楽しそうに語った。大好きなNFLのQBが39歳であることにかけ、あと10年、40歳現役を本気で視界に入れた。

 頂点に立ったからこそ、言葉でも積極的に発信してきた。一方で、春場所が近づくにつれ「いつも通りに」と繰り返す稀勢の里に戻っていった。巧みなオンとオフの切り替え。19年ぶりに誕生した日本出身横綱は心身ともに充実している。

 過去15度の4横綱時代で8度は3場所以内で終わった。力の衰えは明白になり、即引退へとつながるサバイバルだ。初日は白鵬、日馬富士が敗れる波乱。先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)も果たした新横綱優勝。狙う勢いがある稀勢の里が賜杯争いの本命なのは間違いない。

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