アイホ娘、独撃破でスマイル満開!3連勝で平昌五輪第1号決めた
「アイスホッケー・平昌五輪女子最終予選、日本3-1ドイツ」(12日、白鳥王子アイスアリーナ)
日本代表「スマイルジャパン」がドイツに3-1で勝ち、2大会連続の五輪出場を決めた。全競技を通じて日本勢の平昌五輪出場権獲得第1号となった。FW久保英恵(34)=西武=の3試合連続得点などで3連勝した。日本は女子の競技が初めて実施された1998年長野五輪に開催国枠で出場し5戦全敗。4大会ぶり出場の前回ソチ大会も5試合全て敗れており、1年後の大舞台で悲願の五輪勝利に挑む。
氷上に歓喜のスマイルと熱い涙がこぼれた。満員の会場から降り注ぐカウントダウンが「ゼロ」を告げると、ベンチの選手もリンクへ飛び出し、喜びを爆発。2大会連続、そして日本勢第1号となる五輪。FW大沢主将は「最高です!全員の力で勝つことができた」と声を上ずらせた。
大会で最も大柄、平均身長で7センチ、平均体重で9キロ上回るドイツを圧倒した。序盤から激しい“肉弾戦”。試合終了間際にはドイツがGKを下げ、6人全員攻撃を仕掛けてきたが、最後まで耐え抜いた。山中監督体制となった今季、懸垂、ベンチプレスなど5つの項目で10年バンクーバー五輪銀メダルの米国代表の数値を目標に、肉体強化を図った。昨年10月には同じコンタクト競技であるラグビーのトップリーグ選手と合同陸上トレーニングも敢行。数値は直前合宿でついに10年の米国代表を超えた。世界のパワーに屈し、5戦全敗に終わったソチ五輪から3年。自国開催の最終予選で真価を発揮した。
ただ、大沢は自戒を込めて言った。「やっとスタートラインに立っただけ」。4年前、ソチ五輪最終予選で16年ぶりの五輪出場を決めると、ピザ屋や居酒屋でアルバイトなど苦労しながら競技を続ける選手たちにスポットが当たり、一時的な“フィーバー”が巻き起こった。露出が増えたことで、連盟も代表選手も企業のバックアップを受けられるようになり、確かに環境は良くなった。ただ、本番のソチ五輪で5戦全敗に終わったこともあり、真の意味でのマイナー競技からの脱却は不発に終わった。
日本アイスホッケーの聖地・苫小牧で行われた今大会。この日、会場は3111人の観衆で超満員となったが、通常の公式戦は「30人ぐらい」(大沢)。この3年でスポンサーの興味も低下した。だからこそ、再び巡ってきたこのチャンスを逃すわけにはいかない。
「今の私たちは五輪で勝ちきる力がある。さらに成長して、メダルを狙える力をつけたい」と大沢主将。悲願の五輪初勝利だけでなく、輝くメダルを目指し、たくましくなった“氷上のなでしこ”たちが再びシンデレラストーリーを紡ぎ始めた。

