今井遥 痛み乗り越え万感 一時は「歩くことすらできなく…」

華麗な演技を見せる今井遙
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 「フィギュアスケート・全日本選手権」(25日、東和薬品ラクタブドーム)

 女子フリーが行われ、SP21位の今井遥(新潟県連)が演技を終え、万感の表情を浮かべた。11月の東日本選手権の前に両股関節、両膝に痛みが出てしまう事態に見舞われたが、治療やリハビリを重ね全日本の舞台にたどりつき、「胸がいっぱいになりました」と思いを語った。得点はフリー96・29点、合計147・58点(SP51・29点)を記録した。

 冒頭の2回転アクセル-3回転トーループをまとめた後、3回転ルッツでミスが出たが、後半に入っても集中を切らさず。2回転アクセル後にコンビネーションジャンプをつなげられなかった分を別のジャンプに移行させてリカバリーするなど、体力、技術、精神のすべてで持てる力を出し切った。にじみでる思いをこらえることができず、顔をくしゃくしゃにした。

 全日本のリンクに立つのも苦しい道のりだった。10月、東北・北海道のブロック大会から違和感はあったというが、東日本選手権の前に事態は深刻に。「膝と股関節に先天性のものがあったみたいで、それが発症してしまったのが東日本の時。ブロック(大会)の時からおかしいなというのはあったんですけど、ジャンプが飛べないとか歩けないというものではなかったので、検査もせずに過ごしていたら…。東日本の前に一気にひどくなってしまい、滑ることすら、歩くことすらできなくなってしまった」

 東日本選手権は苦しんだ末、7位とぎりぎりで出場権を獲得。その後は「5分以上走れない」ほどの痛みを抱えながらも、無理をおしてリンクでの練習で体力を養った。

 08年に全日本ジュニアを制し、第一線で戦ってきた。痛みについては「今もリハビリなどをしながらなので、だましだましやっていくしかない」と受け止めながらフィギュアに取り組んでいる。

 演技後、万感の思いがにじみでたのは、「けがのこともありましたし、終わってほっとしたというのもあります。昨日のSPは緊張してしまって楽しんで滑ることができなかった。今回は自分の気持ちで滑ることができたなと思ったら安心というか…。もちろん、もっともっとできたという悔しい気持ちもあったんですけど、悔しさと安心と、ここまできたというので胸がいっぱいになりました」と振り返った。

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