タカマツ「わざと負けられなかった」

 中国・武漢で行われたバドミントンのアジア選手権に出場した日本代表が2日、成田空港に帰国した。同大会をもって、リオデジャネイロ五輪の選考レースが終了。女子ダブルス世界ランク1位の高橋礼華(26)、松友美佐紀(24)組=日本ユニシス=は、決勝で福万尚子(24)、与猶くるみ(23)組=再春館製薬=を破り、同ペアの五輪行きを阻む形となった複雑な心境を吐露。夢破れた仲間たちの思いも胸に、改めてリオ五輪での金メダル獲得を誓った。

 仲間の思いが痛いほど分かるからこそ、喜びには浸れない。五輪出場が確実な状況の中で優勝し、凱旋した高橋・松友組だったが、その表情に笑顔はなかった。

 すでに五輪切符をほぼ手中にして臨んだ決勝では、五輪出場へ優勝が条件だった世界ランク9位の福万、与猶組と対戦し、2-0で完勝。結果として同じ日本チームの五輪行きを阻む形となった。決勝後、中国メディアから「わざと負けることを考えなかったのか?」と質問も飛んだ。高橋が「複雑な気持ちはあった」と語れば、松友も「色んな思いはあった」と心中を明かした。

 それでも、試合では一切の迷いなく戦った。4年前、ロンドン五輪のレースでは落選。松友は「次は自分たちが五輪で活躍すると思ってやってきた。やってきたことを変えるつもりはなかった。ここで負けてたら、金メダルなんて絶対獲れない」と振り返った。

 ロンドン五輪では、決勝トーナメントでの組み合わせを考慮し、韓国や中国など4組が“無気力試合”を行い、失格になった。「私たちが勝っても負けても何か言われるのは分かっていた。ロンドンでああいうことがあって、またバドミントンが無気力だと思われるのは嫌だった。五輪レースは昨日だけじゃなく、1年通してのもの。わざと負けることはできなかった。相手に失礼ですから」と高橋。バドミントンを愛し、相手をリスペクトしていたからこその全力プレーだった。

 世界ランク1位。堂々の金メダル候補として、リオに乗り込む。「ずっと一緒に戦ってきた仲間たちの分も精一杯戦いたい」と、松友。日本バドミントン界悲願の五輪金メダルへ、最強ペアが挑む。

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