錦織8強「当たり前に感じられる」

 「全豪オープンテニス」(26日、メルボルン)

 日本勢初の四大大会制覇を期待される男子シングルス第5シードの錦織圭(25)=日清食品=は、4回戦で第9シードのダビド・フェレール(32)=スペイン=を得意のストローク戦で圧倒し、ストレート勝ち。3年ぶりのベスト8進出を決めた。28日に予定される準々決勝では、全豪の日本男子で1932年の佐藤次郎以来、83年ぶりの4強入りを懸けて前回王者で第4シードのスタニスラス・ワウリンカ(29)=スイス=と対戦する。

 難敵フェレールのリターンが力なくネットにかかると、錦織は余裕の笑みを浮かべながら歩み寄った。今大会初めて顔を合わせたトップ10ランカー相手に、風格すら感じさせる2時間7分の圧勝劇。四大大会では昨年の全米オープンから2大会連続、全豪では3年ぶりの準々決勝進出を決め「(8強入りは)当たり前のように感じられる」と胸を張った。

 今季取り組んできたサーブの強化が、はっきりと実を結んだ。3回戦までは最速199キロだったが、この試合の第1セットで2度、200キロを記録。さらに第2セット第1ゲームでは201キロも出た。主要大会では自己最速とみられる数字に、「201キロで喜んでたらバカにされそう。そんなに喜べない」とはにかんだ。

 身長とパワーが直結するサーブスピード。トップランカーは200キロ超えが当たり前の世界で、178センチの錦織は緩急やコントロールで対抗してきた。ただ、「スピードも大事」と自身の伸びしろであることも自覚。今季は握り方を変え、打点も体重が乗りやすいようにやや前へ。今大会は初戦に11本、3回戦では実に15本ものエースを記録している。

 そして、ストローク戦に持ち込めば無敵状態だった。フェレールとは過去9戦6勝だが、勝ち試合はいずれもフルセット。この日は前後左右に揺さぶり、初めてストレートで下した。「今までと違う自分だった。ストロークの感覚はとても良かったし、ボールを打っている感触も違う。序盤から気持ち良さを感じていた」。極限まで集中力が高まり、力が引き出される“ゾーン”と呼ばれる状態に突入していた。

 準々決勝は前回大会王者でランク4位のワウリンカ。勝てば準決勝はランク1位のジョコビッチが濃厚だ。この流れは準優勝した昨年の全米オープンと同じ。いよいよ格上との対戦が始まるが、錦織は言い切った。「彼(ワウリンカ)が昨年優勝して多くの自信を手にしたように、僕も全米オープンでそうだった。彼も倒したし、ナンバーワンも倒した。たくさんの自信を得た」。恐れるものは何もない。新たな歴史の階段を、一足飛びに上がっていく。

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