西野大暴れ!東海大仰星3度目日本一

 「全国高校ラグビー・決勝、東海大仰星19‐14桐蔭学園」(7日、花園)

 Aシードの東海大仰星(大阪第1)が桐蔭学園(神奈川)を19‐14で下し、7大会ぶり3度目の優勝を飾った。ヒーローは寡黙なロックの西野晃太(3年)。前半1分に敵陣でインターセプトして先制トライを決めると、後半11分にも自陣でボールを奪取して独走し、ダメ押しとなるロック永井達啓(3年)のトライにつないだ。湯浅大智監督(32)は就任1年目での快挙。大阪勢の優勝は2大会連続18度目。桐蔭学園は3大会ぶり2度目の優勝に届かなかった。

 湯浅監督の秘蔵っ子が大一番で期待通りに大暴れした。前半1分、西野は「狙っていた」と敵陣でパスをインターセプト。そのまま中央を走り抜き、先制トライを決めた。

 大会前に、CTB山田一輝(3年)と2人が監督から託された。「3年間見てきて、ラグビーの奥深さを理解している。外(報道陣)にあえて名前は出さないけど、キープレーヤーは君たちだ」。決勝での活躍で期待に応えた。

 「監督から言われ、当然気合は入っていた」と西野。仲間や桐蔭学園にも多数いる高校日本代表候補らに「絶対負けない思いだった」と反骨心いっぱいに今大会に臨んでいた。

 14‐7の後半11分には、自陣でラックからのこぼれ球に素早く反応。一気に敵陣深くまで独走し、ダメ押しトライにつなげた。

 フランカー野中主将(3年)が「西野はアホ。小学生並み。普段はほとんど話さない。でも、試合の肝心な場面だけは的確に話すんです」とあきれる寡黙な仕事人。西野は大舞台でのヒーローに「めっちゃうれしい」と喜びをあふれさせた。

 出場できなかった前大会の花園。部員全員が決勝戦を訪れ、常翔学園(大阪)の優勝を目の当たりにした。「去年の悔しさを忘れなかった」と西野。その思いはみんなが同じだった。野中も「なぜ、僕らがここにいないのかと思うと、試合を見られなかった」と雪辱を胸に1年を過ごしてきた。

 そんな勝利への執念が、残り15分から桐蔭学園の最後の猛攻をはね返した。痛めた右膝を悪化させ、立つことすらやっとの野中は、表彰式でFB野口竜司(3年)の肩をつかみ、優勝旗を持てなかった。試合前には両親に「生きて帰ったらまた家に入れて下さい。今までありがとう」とメール。まさに決死の覚悟で東海大仰星は3度目の日本一を手にした。

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