田知本敗れて柔道女子22年ぶり金ゼロ

 「世界柔道」(8月31日、リオデジャネイロ)

 女子78キロ超級の田知本愛(24)=ALSOK=は準決勝でロンドン五輪金メダルのイダリス・オルティス(キューバ)に優勢で敗れ、3位決定戦を制して銅メダルだった。個人戦の7階級が終わり、日本女子は無差別級を含む8階級で優勝を逃した1991年バルセロナ大会以来、22年ぶりの金メダルゼロに終わった。田知本は2010年東京大会無差別級以来の銅メダル。オルティスが初優勝した。男女各7階級で日本はトップの金メダル3個。メダル数7はフランスと並ぶ最多だったが、日本としては男女同時開催となった87年大会以降、09年に並ぶ最少だった。

 女子の最後のとりで、田知本愛が78キロ超級準決勝で敗れた瞬間、22年ぶりの“全滅”が確定した。暴力指導問題で揺れ続けた日本女子は1階級も勝てなかった。3月に急きょ就任した南條充寿監督は「任せられたことへの戸惑いはあったが(騒動の)影響は一切ない」と表情をこわばらせた。

 オルティスに完敗した田知本は「前に出る練習はしていたけど、前に出すぎると担ぎ技にはまる」と足がすくんだ。

 暴力問題の影響で、新体制では選手の自主性を最優先した。78キロ級1回戦敗退の緒方亜香里(了徳寺学園職)が「自分で技をかける練習しかしてこなかった」と漏らしたように、若手主体のチームは自らを追い込むすべを知らなかった。

 金メダルを量産したここ数年から、明らかに後退した。南條監督は「選手がこの結果をどう受け止めたのか。対話を通じて対策を練る」と話したが、状況は深刻だ。

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