人生の節目に常にあった金本さんの存在 400号被弾、トリプルスリー達成試合で完投、FA移籍時に披露宴出席

 今日13日、カープは私の故郷でもある福井で巨人戦に臨みます。私は現役時代、2006年から3年連続で地元のマウンドに上がりました。凱旋(がいせん)登板は選手にとって特別です。たくさんの応援がうれしかったことを覚えています。

 2008年は5月15日の阪神戦で登板したんですが、ただ、福井での試合よりも、その前々日に富山で行われた試合の方が強く印象に残っています。9-1の九回からマウンドに上がり、金本さんに右中間へ2ランを打たれました。金本さんにとって、これが節目の通算400号でした。

 打たれたのは初球の直球。点差があり、しかも土砂降りの雨だったこともあって、とにかく早く試合を終わらせたい。四球なんかを出すわけにはいかないので、ストライクを先行させてと思っていたところで、初球を完璧に捉えられました。

 金本さんとは節目で縁があります。金本さんが広島時代、3割30本30盗塁のトリプルスリーを達成したのは、2000年の最終戦となった10月11日・ヤクルト戦(神宮)。その試合で先発して完投したのが私でした。大記録達成の瞬間を、同じグラウンドで迎えられたことは、本当にうれしく思いました。

 食事に連れて行ってもらったことは何度もあります。もちろん野球についてたくさんの助言をもらいました。私は左打者の内角に直球を投げ込むのが得意でしたが、金本さんからは左打者を打ち取るための、外角球の使い方などを教えてもらいました。打者から感覚を聞けることは、とても参考になるので、ありがたかったです。

 プライベートでも人生の門出を祝っていただきました。金本さんがFA権を行使して、阪神移籍が決まった2002年のオフ、私は結婚したんですが、金本さんには広島での披露宴に出席していただきました。

 FAで阪神に移籍するというのは当時、大ニュースでした。そんな中で後輩の結婚式とはいえ、広島のチームメートや関係者も訪れる場に行くのは気持ち的にも大変だったと思います。だから、出席のはがきが返ってきたときは、驚いたと同時にうれしかったです。改めて金本さんの人間味に触れて感動しました。

 富山で400号本塁打を打たれたこともそうですし、私の人生の節目には、金本さんの存在が常にあったと思います。

 金本さんのカープ時代は野村さん、緒方さん、江藤さん、前田さん、西山さんら3割打者がズラリと並んでいました。金本さんを筆頭にみんな、すごくバットを振っていました。黙々と外野を走り込んだり、鏡の前で素振りを繰り返したり、練習量は半端ではありませんでした。私はそういう姿を目の当たりにし、これが本物のプロなんだと肌で感じました。

 今のカープは得点力不足が大きな課題です。もちろん選手も毎日、必死に練習していると思いますし、その積み重ねがきっと実を結ぶ時が来るはずです。シーズンはまだ5月。ここからの巻き返しに期待したいです。(デイリースポーツ評論家)

 ◇横山竜士(よこやま・りゅうじ)1976年6月11日生まれ、49歳。福井県勝山市出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。178センチ、80キロ。福井商時代は甲子園出場はなかったが、1年秋からエースとして活躍。94年度ドラフト5位で広島に入団。97年に中継ぎながらプロ初勝利を含む10勝を挙げる。先発、中継ぎ、抑えと幅広く活躍し、プロ20年目の2014年に現役引退。通算成績は507試合に登板、46勝44敗17セーブ110ホールド、防御率3・42。20年から昨季まで広島で投手コーチを務めた。

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